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  • 2017.09.11
  • 情勢/解説
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公明新聞:2017年9月10日(日)付



来年度予算概算要求のポイント
公明の主張反映



財務省は6日、各省庁が提出した2018年度予算概算要求の一般会計総額が、100兆9586億円になったと発表しました。今後、政府の予算編成作業は年末にかけ本格化します。来年度予算概算要求のうち、公明党の主張が反映されたポイントなどを紹介します。


概算要求とは


各省庁が要望額を提出

予算の概算要求とは、各省庁が来年度に取り組みたい事業に必要なお金を見積もり、予算要望額を財務省に提出することです。

財務省が各省庁にあらかじめ示す予算要求のルール「概算要求基準(シーリング)」に基づき、通常、8月末までに提出されます。シーリングには、国が何を重視して予算配分するのかというメッセージが込められます。18年度は、「人づくり革命」の実現に向けた教育をはじめとする「人への投資」や、地域経済と中小企業の支援などが優先課題推進枠に設定されています。

提出された概算要求は、財務省が各省庁との折衝を重ねて要求額を精査し、政策の優先度に応じて絞り込み、年末には予算案が決定します。その後、政府は予算案を年明けの通常国会に提出し、国会での審議を経て、次の年度が始まる前の3月中の成立をめざします。


教育、疾病対策


教員の働き方を改革


難病、アレルギー "適切な医療"を全国で


教育に関して文部科学省は、長時間労働是正など公立小中学校教員の働き方改革に向けて、教員の代わりに部活指導や大会への引率に当たる「部活動指導員」の配置を自治体に促す新しい補助事業を始めます。

さらに、教科配布物の印刷などの事務作業を行う「スクール・サポート・スタッフ」を全国で配置する事業や、校務の効率化を進める「統合型校務支援システム」導入に向けた補助事業も新設することとしました。

公明党の長年の主張で今年度は約2800人の枠で一部先行実施されている給付型奨学金についても、約2万人を対象に本格実施するための費用を計上。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した、いじめ相談事業、障がい者の文化芸術活動を促進する事業を新設する方針も明記されました。

一方、疾病対策で厚生労働省は、難病やアレルギー疾患の患者に全国で"適切な医療"を提供する体制を整備するための新規事業を始める方針です。難病対策では各都道府県の拠点病院を中心とした連携体制づくり、アレルギー疾患対策では医師の育成などを担う全国の中心拠点病院の支援を行います。

肝炎対策では、B型・C型肝炎ウイルスが原因の肝がん患者に対する医療費の負担軽減策を創設するとしています。


中小企業


後継者不足の対策強化


後継者不足に悩む中小・小規模事業者を支援するため、事業承継に集中的に取り組む事業として、新たに16億円を盛り込みました。

現在、中小企業経営者の高齢化が進んでおり、今後5年間で新たに約30万人が70歳に達すると推計されています。高齢経営者の中には、地域経済に重要な役割を果たしながら、後継者不足を理由に「黒字廃業」を検討する人も少なくありません。このため、地域の雇用維持や技術の流出防止の観点から、後継者不足対策を強化。経営者への助言や情報提供、マッチング(引き合わせ)支援をワンストップで行っていきます。

また、中小企業の生産性向上へITなどの積極的な活用を推進。さらに中小企業が必要とする人材の確保に向け、地域からの発掘や定着を後押しします。こうした経費として32億円が計上されています。

下請け取引条件の改善にも引き続き取り組むほか、7月に施行された地域未来投資促進法に基づき、地域経済の中核となる企業への助成も拡充されます。


復興・防災


なりわい再生、住まい確保


東日本大震災からの復興加速に向けて復興庁は、被災地の産業やなりわい再生に計1015億円を計上し、さらに予算の編成過程で追加要求する考えです。

具体的には、福島県の農林水産業に対する風評被害の払拭に50億円、同県の浜通りに新産業を集積する「福島イノベーション・コースト構想」の関連事業に160億円を要求しました。

熊本地震の生活再建では、国土交通省が災害公営住宅の整備事業や、被災マンションの建て替え支援事業の補助率かさ上げ措置延長を盛り込みました。

一方、南海トラフ巨大地震など、今後起こり得る大規模災害への対策では、公明党が掲げている「防災・減災ニューディール」の考えが反映されました。

文部科学省は、前年度から3倍超となる2477億円を計上し、学校施設の耐震化事業や防災教育を充実させます。内閣府は、大規模災害時の住まい確保に向け、空き家や空き室を借り上げ型の仮設住宅として円滑に供給する方策を進める方針です。

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