e九州北部豪雨から2カ月

  • 2017.09.06
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年9月6日(水)付



公明、復旧・復興に全力
衆院災害特委



福岡県朝倉市や大分県日田市を中心に、甚大な被害をもたらした九州北部豪雨は5日、発生から2カ月となった。両県で36人が犠牲となり、朝倉市では現在も行方不明者5人の捜索が続く。

豪雨による河川の氾濫や土砂崩れによる家屋への被害は深刻で、福岡県で全壊が240件、半壊は804件(5日時点)、大分県でも全壊が48件、半壊は269件(8月31日時点)に上っている。

避難所では145人が生活し、朝倉市と福岡県東峰村では、8月中旬に完成した57戸の仮設住宅に入居が始まった。現在は、さらに43戸の建設が進んでいる。民間の賃貸住宅を借り上げたみなし仮設なども含めると、両県で約1000人が自宅以外で暮らしている。

豪雨による農地や道路、河川などの被害額は福岡県で1941億円に上り、大分県の299億円と合わせ、2200億円を超えた。

公明党は発災直後から現場に急行し、被害状況の把握や被災者の激励に奔走。山口那津男代表をはじめ、国会議員、地元議員が、早期復旧・復興に向けた首長の要望や被災者の切実な声を、国や自治体に届け続けてきた。


営農再開支援をさらに


吉田氏 気象予測の精度向上も


5日に開かれた衆院災害対策特別委員会の閉会中審査で公明党の吉田宣弘氏は、九州北部豪雨からの営農再開と豪雨被害の予防策について質問した。

吉田氏は、豪雨の影響で地域の農業に甚大な被害が出ていると指摘。農地の復旧を支援する際は「(元に戻す)原形復旧に限らず、水田から樹園地などへの改良復旧を認め、高付加価値の生産物を作れるようにしてほしい」と述べた。

また、多くの生産者が豪雨で農業機械(農機)を失ったことに触れ、「農業を担ってもらうため、どう支援するのか」とただした。

農地の復旧支援に関して、農林水産省は「水田の原形復旧に要する費用を超えなければ、水田を畑や樹園地に復旧することは可能」と答えた。農機の支援については、購入支援事業を被災者が優先的に利用できるようにするとともに、農機のリース(長期の賃貸借契約)を後押しすると述べた。

一方、吉田氏は、自治体が的確に住民への避難指示を出すためには、気象予測の精度を向上させる必要があると強調した。

気象庁の橋田俊彦長官は「来年度、現在の10倍の計算能力を持つスーパーコンピューターの運用を開始し、降雨の予測精度を向上させる」としたほか、現在は6時間先までとなっている詳細な降水量予測を、15時間先まで提供できるようにする計画があると応じた。

このほか吉田氏は、防災訓練の推奨や防災に関わる人材の育成など、ソフト対策を充実すべきと訴えた。

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