eコラム「北斗七星」

  • 2017.08.21
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年8月19日(土)付



ママの怒った顔はシーサー(沖縄などに伝わる獣の像)やジャミラ(ウルトラマンに登場する怪獣)に似ている―子どもが無邪気に歌う清涼飲料水のCMが好評だ。CM総合研究所によれば、放送開始翌月の6月に好感度1位となった◆ただ、ジャミラがエプロンを着ていることが「"家事・育児をするのは母親"という固定概念を助長しかねないのでは」との指摘があるという。かつて「私作る人、僕食べる人」というCMが批判を浴びたことを思い出す◆先に挙げた清涼飲料水のCMについては、多くの視聴者が好意的に受け止めた。とはいえ、性別によって社会的な役割を固定化することに対し、世論は敏感に反応する。意に沿わない形で「男らしさ」や「女らしさ」を求められれば、誰でも息苦しさを感じるのは当然である◆これは、決してLGBT(性的少数者)に限ったことではない。めざすべきは、誰もが「自分らしく」生きられる社会であろう。この点、公共性の高いCMには格段の配慮が求められていることは確かだ◆ところで、ジャミラは怪獣に変身して地球に帰還した元宇宙飛行士で男性と見られている。そのことをCMの作り手が知っていたとすれば、ジャミラのエプロン姿には男性の家事・育児参加を促す意図が隠されているのかもしれない。(幸)

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