eコラム「北斗七星」

  • 2017.08.03
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年8月3日(木)付



民間企業などで働く障がい者を、6年余りで約180人から1027人(7月1日現在)に増やした地方自治体がある。人口約6万8000人の岡山県総社市だ◆同市は、2011年度から、独自の「障がい者千人雇用事業」に取り組んできた。市内に18~64歳の障がい者が約1200人在住していたことから目標を"千人"とした◆市は、ハローワーク総社と協定を結び「障がい者千人雇用センター」を設置。双方の派遣職員が企業のニーズと障がい者のマッチングなどで協働し、法律で障がい者雇用が義務付けられていない、従業員50人以下の企業の開拓にも地道に取り組んだ。一方、福祉的就労の場も着実に増やし、6年前にはゼロだった、就労継続を支援する事業所は18カ所に◆当初、「できっこない」と言われた"千人雇用"。片岡聡一市長の背中を押したのは、障がい者の母親が訴えた一言。「毎日、バスで送り出すこの子を、社会は決して受け入れてくれないだろうと思うと一日が辛くて重い」だった◆全国で多くの障がい者が、働きたくても働けないで在宅を余儀なくされている中、障がいのある人が当たり前に働き暮らせる地域社会をめざす、総社市の挑戦は刮目に値する。「次の目標は1500人雇用。やればできる」と片岡市長。「そうじゃ」と応えたい。(中)

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