eコラム「北斗七星」

  • 2017.07.27
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年7月27日(木)付



「兵法は労に乗ず」。三国時代、蜀の丞相・諸葛孔明の『後出師表』の一節である。「相手の疲れに乗ずることが、最上の兵法の道」(諸橋轍次『中国古典名言事典』講談社学術文庫)という意味だ◆劉禅に奏上した後出師表。孔明は蜀の行く末を予見し守成に傾く国内の言説を論破。賊国・魏は疲れ、討てる可能性があるとした。疲れは敗北に通じ、意気軒昂なら勝機を掴める。先日、金沢市で開かれた富山、福井、石川の党3県合同夏季議員研修会はまさに意気天を突く集いだった◆実は、金沢には数度訪れたことがある。小京都と言われ、江戸期、100万石を有した加賀藩・前田家の居城があった地だ。市内の観光地を訪ねたときのこと。藩の礎を築いた前田利家が合戦で着た黄金の鎧兜の復元を見て驚いた◆特に兜は、先端が魚の尾、頬を覆うのは髭のある魚の口の形なのだ。予知力があるとされる鯰を模したらしい。「危機を察知し先手を打つという意志の表れ」と説明してくれた。大大名として加賀藩が続いたのは、利家の精神を忘れなかったからだろう◆ちなみに、山口代表が夏季研でも語っている「常在戦場」は元々、江戸期、長岡藩の藩訓だった。公明の武器は「政策力・発信力・拡大力・現場力」。英気を養いつつ、「戦えば必ず勝ち、攻むれば必ず取る」(十八史略)気概で進みたい。(田)

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