eスポーツで地域を元気に

  • 2017.07.24
  • エンターテイメント/情報

公明新聞:2017年7月23日(日)付



各地のユニークな取り組みから
五輪開催へ機運高めよう



2020年の東京五輪・パラリンピックの開会式(7月24日)まで、あと3年。開催への機運を高めようと、スポーツを地域の活性化に生かす動きが活発です。各地のユニークな取り組みと、スポーツジャーナリスト・二宮清純氏のコメントを紹介します。


ホストタウン構想


海外選手ら受け入れ交流


「すごくきれい! 迫力があって格好いい!」。山形県の村山市民体育館で6月下旬に行われた、ブルガリアの新体操選手による公開演技会では、約3600人の観客で会場が満員に。各選手がフープやリボンを使って舞う姿に観客はすっかり魅了されていました。

選手の1人は「来場した皆さんに盛り上げていただき、母国のような雰囲気で演じることができました」と感激した様子でした。

また、選手らは地元の小中学校を訪問。交流を楽しんだ子どもたちからは「ブルガリアに行ってみたい」との感想も聞かれました。

村山市は、市の花であり、ブルガリアの国花でもあるバラを縁に同国との交流を推進。新体操代表の事前キャンプ地誘致に成功し、昨年12月に政府の「ホストタウン」に登録されました。

ホストタウン構想は、東京五輪・パラリンピックの開催効果を全国に広げようと、参加国・地域の選手らと地域住民の交流を促し、地方創生の推進をめざす取り組みです。ホストタウンは現在、全国で179件に上ります。


スポーツツーリズム


「競技」と「観光」で誘客


自転車の熱戦を街中で!―。愛知県新城市は、山や高原など自然豊かな地形を生かした自転車ロードレース大会「ツール・ド・新城2017」を開催(1、2日)。炎天下の中、多くの自転車が市内をさっそうと駆け抜けました。

大会は、県営の総合公園と周辺の公道を会場に耐久レースや周回レースが行われ、各地から約800人が参戦。2005年にスタートし、大会期間の前後には宿泊・観光施設に多くの人が訪れています。

スポーツイベントと開催地周辺の観光を融合し、交流人口の拡大や地域経済への効果を波及させる「スポーツツーリズム」は、全国に広がりつつあります。

積極的に取り組んできた同市は、自動車レースの「新城ラリー」などもその一環として開催。昨年4月には「スポーツツーリズム推進課」を立ち上げ、体制を強化しました。

市担当者は「内容を充実させ、"レースの聖地"にしたい」と語っています。


政府の成長戦略に反映。公明、産業活性化を後押し

政府は地域振興を視野に入れたスポーツ産業の振興に力を入れています。

6月に発表された政府の新たな成長戦略「未来投資戦略2017」では、スポーツを核とした地域の活性化へ、"にぎわい"創出の拠点となる施設整備の重要性を強調。スポーツを通じた観光施策を具体化させるため、プロモーション戦略の策定にも触れています。

これらの施策により、15年に5.5兆円だったスポーツ産業の市場規模を、25年までに15兆円に拡大することをめざしています。

公明党も「スポーツ産業振興委員会」を設け、地域の先進事例などを踏まえた取り組みの推進について議論を重ねています。


地形や文化生かし、「独自性」の発揮を


スポーツジャーナリスト 二宮 清純氏

東京五輪・パラリンピックの成功はもちろん重要ですが、一極集中を防ぐ観点から地域への目配りも欠かせません。欧州のサッカーや米メジャーリーグなどのチーム名が象徴するように、海外を見るとスポーツは地域を中心に成り立っています。

国が掲げる「スポーツを核とした地域活性化」は今後、中身と具体化が問われるでしょう。地形、気候などの特性や伝統・文化を生かし、各地の「独自性」を後押しする取り組みが求められています。

これまで日本のスポーツは主に企業と学校に支えられてきましたが、景気に左右されたり、少子化が進んでチーム編成できないなどの問題が生じています。部活動を担当する教員の過重負担も見逃せません。今後は地域でクラブを運営する、部活動を支える、指導に経験者を招くなどの取り組みも必要となるでしょう。

スポーツの発展は普及を"土台"に、育成、強化と積み上げるピラミッド方式が望ましい。地域をよく知る公明党地方議員の貢献に期待します。

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