eコラム「北斗七星」

  • 2017.07.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年7月22日(土)付



毎日、寝苦しい日が続いている。ただでさえ睡眠が不足しがちな現代。熱帯夜のために睡眠時間がさらに減れば、体に悪影響が及ぶことは疑いない◆最近、テレビなどで「睡眠負債」という言葉を耳にする。毎日、それなりの時間は寝ていて、自分では寝不足というほどの自覚がなくても、睡眠時間のわずかな不足が借金のように積み重なっていくことがある。それが睡眠負債と呼ばれるものだ。負債が増えれば脳の働きが低下するだけでなく、糖尿病やがん、認知症などの危険性も高まるというから恐ろしい◆睡眠不足を取り返そうと休日に「寝だめ」をするのは、生活のリズムを乱し、逆効果となりかねない。毎日7時間以上など、規則正しい睡眠を取ることが必要だという◆夏の夜に快眠するためには、環境も大事だ。本紙6面の「ファミリープラザ」に登場した睡眠評価研究機構代表の白川修一郎氏によると、心地よく寝付くためには「室温が26~28度前後、湿度が60%以下くらいの状態が良い」そうだ。エアコンを上手に使うことも必要だろう◆OECDの調査では、欧米加盟国に比べ日本人の睡眠時間の少なさが目立つ。"国民性"では済まされない深刻な問題だ。仕事のために睡眠時間が削られることなどなくなるよう、働き方改革の実行も急務と言えよう。(千)

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