eコラム「北斗七星」

  • 2017.07.06
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年7月6日(木)付



久々に会った幼なじみ、教員を辞めて画業に専念しているという。聞けば、「事務作業は多いし、部活動の顧問で土日もつぶれる。絵を描く時間が無い」ことが理由だ。やったこともない剣道部の顧問を依頼され、竹刀の持ち方から練習した彼も、我慢ができかねたらしい◆4月に発表された公立小中学校の教員の勤務実態調査で、部活動にかかわる時間は1日当たり平均で平日が41分、土日が2時間10分。実際に顧問などをしている先生たちが、そのために割いている時間と労力は大変なものだ◆教員の働き方改革については、公明党も5月に緊急提言を行った。その中でも部活動業務の軽減は柱の一つ。文部科学省も、子どもたちの健康面への配慮もあり、部活の休養日を設定するように全国に通知。この4月には、地域の指導者などを学校職員として有給で受け入れる制度がスタートした◆とはいえ、この3月末時点で、休養日の基準を設定している市区町村の教育委員会は42.9%、外部指導者活用への取り組みは28.5%にとどまる。地域との連携強化や予算確保など、簡単には進められない状況も背景にありそうだ◆大切なのは、子どもたちの興味と意欲に応えられる学校の体制づくり。根幹である教員の元気を維持するために、その負担軽減は避けて通れない。(繁)

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