eコラム「北斗七星」

  • 2017.06.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年6月19日(月)付



工事のため数日間、水に不自由した。2日目からは、何やら気力が湧いてこなくなったのには、驚いた。工事が終わり、水を思うままに使えることのありがたさが身にしみた◆東京都の水道局はこの3月、災害発生時に迅速に応援隊を派遣できるよう「東京水道災害救援隊」を発足させた。水道局や登録した都職員を当番制で割り当て、緊急時に即応できるようにしたもので、常設するのは国内初◆具体的には断水に対応する応急給水部隊5班10人、漏水などに対応する応急復旧部隊4班24人を常時、確保する。このうちの数班が初動部隊になって被災地に乗り込む。さらに協定を結んだ都内の管工事事業者が応援として加わることになる◆一方、こうした救援の手を受け入れるマニュアルの不備や訓練不足が、東日本や熊本の震災での経験から、問題点として挙げられている。災害時には自治体職員も被災者。応援なくしては、対応しきれない。ましてや懸念される巨大地震では、遠方から来る多数の救援を、円滑に受け入れることが不可欠になるからだ◆都では昨年から本格的な受け入れの検討・訓練を開始。今年は大阪市などとの合同訓練を10月末に予定している。なにげなくひねる蛇口だが、地道な積み重ねが、暮らしの安心を支えていることを忘れてはなるまい。(繁)

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