e駅のホームドア 優先順位のつけ方に工夫を

  • 2017.05.22
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年5月20日(土)付



利用者の命を守る鉄道駅のホームドア。その整備に向けた鉄道各社の取り組みが今年に入ってから加速している。

例えば、JR東日本は首都圏の30駅について、東急電鉄も東横線、田園都市線、大井町線の全64駅について、それぞれ整備計画を当初より約1年前倒しし、2019年度末までに完了する方針を示している。東武鉄道は20年度末までに8駅、21年度以降に23駅に新たに整備する計画だ。

国土交通省が昨年12月に示したホームドアなどの整備方針を受けたものだが、各社の取り組みを評価したい。

視覚障がい者にとって駅のホームは「欄干のない橋」と言われる。転落防止にはホームドアの設置が有効だ。このため公明党は、一貫してホームドアの整備を推進し、今夏の都議選の重点政策にもホームドアの拡充を掲げている。

この重点政策で強調したいのは「特に視覚障がい者の利用が多い都立盲学校の最寄り駅での整備を積極的に促進」と明記したことだ。都立盲学校は4カ所だが、整備計画ができていない最寄り駅もある。具体的に明記することで強力に進めていきたい。

ホームドアの設置は1日の乗降客数が多い駅が優先されているのが現状だ。ホームドアを最も必要とするのが視覚障がい者であることを考えれば、この点に光を当てたことに大きな意義がある。

一人の小さな声を基に政策提言に結び付けたことも強調しておきたい。「盲学校の最寄り駅にホームドアを積極的につけてほしい」。盲学校に娘を通わせている母親からの切実な要望が、今回の政策の原点になっているからだ。

都議会でも、3月の予算特別委員会で公明党が視覚障がい者の利用が多い駅への優先的な整備を主張した。

この提案に対して小池百合子都知事が「公明党の質問には、生活者の意見がしっかり盛り込まれているから中身がある」と高く評価したことも特筆しておきたい。

東京都は今年度予算で、ホームドアの整備を進める予算を前年度の3倍に増やした。他の自治体でもホームドアの整備を後押しするところは多い。具体的な整備に当たっては、優先順位のつけ方に工夫が必要であろう。

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