e文学通じて観光振興

  • 2017.05.17
  • エンターテイメント/情報

公明新聞:2017年5月17日(水)付



太宰治が暮らした「碧雲荘」を移築し活用
大分・由布市



大分県由布市湯布院町にこのほど、作家・太宰治が暮らした東京都杉並区の下宿「碧雲荘」を移築した観光施設「ゆふいん文学の森」がオープンした。

杉並区が計画する福祉施設の整備などにより、一時は取り壊しの危機にあった碧雲荘が、読書好きが集まる新たな観光施設として生まれ変わり、話題を呼んでいる。

オープンに合わせて行われたセレモニーには、田中良・杉並区長や、首藤奉文市長が参加したほか、移築に力を尽くしてきた公明党の渕野けさ子市議も駆け付けた。

同施設の移築を担ったのは、同市で旅館を経営する橋本律子さん。移築先を探していた碧雲荘の所有者から相談を受け、昨年の熊本地震で観光産業が甚大な被害を受けた同市の「復興の力になれば」との思いで自ら所有する土地に移築を決めた。オープンを迎え、橋本さんは「(同施設が)新たな観光の拠点になってほしい」と期待を寄せた。

同施設では、太宰治が生活し、「人間失格」の原型となった「HUMAN LOST」などを執筆した8畳間を再現したほか、「読書を楽しむ」ことをコンセプトに、読書スペースや、利用者が持参した本と館内にある本を交換することができる交換型古書店「輪廻転読」などを設置。入館料は700円(高校生以下は無料)で、カフェなども併設されている。

セレモニーに参加した首藤市長は、「市にとって大きな財産になる。観光の起爆剤になるよう、協力していきたい」と語っていた。

渕野市議は、橋本さんから相談を受け、議会質問で、観光振興の一環として市に協力を求めるなど尽力してきた。

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