eコラム「北斗七星」

  • 2017.05.16
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年5月16日(火)付



きょうは、42年前に日本女子登山隊が女性によるエベレスト登頂に世界で初めて成功した日。頂に立ったのは故・田部井淳子さんだった。彼女が「最良のパートナー」と認めた北村節子さんの著がある◆『ピッケルと口紅』(東京新聞出版局)。北村さんは同著で「へき地の旅の必携品、田部井淳子とその笑顔」と言って、出会った人を魅了する田部井さんの人柄を「誰でも開けゴマ」マジックと名付けていた◆例えばニューギニアでの模様。田部井さんの口から「おばさん、元気かね!」と日本語が出る。「トーチャンは元気かね!」と続く。そのうち話している当人がおかしくなって笑ってしまう。すると相手のおばさんも一緒に笑い出し、友好が成立、と◆読みながら、地元の女性公明党員の明るい姿がふと重なった。さて、そんな田部井さんが東日本大震災被災者への支援活動として東北の高校生と富士登山に参加した時のことを3年前の本紙で次のように語っていた◆ダメと言っていた高校生がサポーターに支えられ登り、下りてくるとまるで別人。つらくても、一歩一歩登っていけば必ず頂上に着くことが、自分の目標に向かって、諦めないことがどんなに大事かが分かったようです◆田部井さんの名言の一つを笑顔とともに思い出す。「一歩 一歩 前へ」。(六)

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