e司法修習生に「給付金」

  • 2017.05.08
  • 情勢/社会
[画像]メインイメージ

公明新聞:2017年5月1日(月)付



経済的支援で人材確保へ



経済的支援で法曹志望者の減少に歯止めを――。司法修習生に「修習給付金」の支給制度を創設する改正裁判所法が、先月19日の参院本会議で可決、成立した。公明党が粘り強く推進してきたもので、2011年に廃止された「給費制」が事実上復活した。17年度の司法修習生71期から実施される。

司法修習生の経済的支援に関しては、司法試験合格者が年間2000人に上っていたことなどから、11年に給費制(月額約20万円を一律支給)を廃止。その後は、希望者に月額18~28万円を無利子で貸し付ける「貸与制」となっていた。

しかし、法科大学院の志願者は、04年度に7万人を超えていたのが、16年度には約8000人と大きく落ち込んだ。法曹志望者の減少の一因とされる経済的負担の解消が喫緊の課題だった。

新設された修習給付金は、修習生に一律月額13万5000円を支給する「基本給付金」のほか、修習先で賃貸住宅に住む場合の「住居給付金」、修習に伴う引っ越し費用の「移転給付金」の3種類。貸与制は、貸与額を見直した上で新制度と併用できるようにした。


改正法成立、公明が一貫してリード

公明党は、優秀な法曹人材を確保するため、経済的な支援制度を充実させる必要性を繰り返し訴えてきた。「給費制」の廃止に当たっては当初、10年11月に「貸与制」に切り替わることが決まっていたのを、当時の民主、自民との3党で協議し、1年間に限り給費制を延長させる合意をリードした。

その後、給費制は11年に廃止されたが、公明党は司法修習生への経済的支援の重要性を引き続き強く主張。13年、14年には、政府に交通費や引っ越し費用の支給、「修習手当」の創設などを提言した。昨年6月に政府が閣議決定した骨太方針では、公明党の提言も踏まえ「経済的支援を含む法曹人材確保の充実」と明記されるなど、一貫して推進してきた。


法曹養成制度の改革が前進 日本弁護士連合会会長 中本和洋氏

今回の裁判所法の改正に関しては、公明党に多大なる協力をいただき、心からお礼を申し上げます。

2010年の貸与制施行を1年延長した時から、長きにわたって尽力してもらい、14年には「法曹養成に関する緊急提案」で修習手当の創設を提案いただくなど、われわれの活動に並々ならぬ尽力をいただきました。

改正法は、司法修習生に対して修習給付金などを支給する制度を創設し、法曹となる人材の確保の推進などを図るもので、法曹養成制度改革の確かな前進であると受け止めています。

引き続き、関係諸機関と連携し、法曹養成制度の改革に取り組んでまいります。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ