e介護保険料の「総報酬割」導入

  • 2017.04.18
  • 情勢/解説
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公明新聞:2017年4月18日(火)付



所得水準に応じた負担
保険者間での不公平感を改善
今年8月から段階的実施



Q 今国会で審議中の介護保険法等改正案に盛り込まれた介護保険料の「総報酬割」とは、どういうことですか。(東京・調布市 K・H)

40~64歳のサラリーマンが支払う介護保険料は現在、医療保険者(健康保険組合、協会けんぽ、共済組合)ごとに取りまとめて「介護納付金」として国の基金に納められており、その額は「加入者の人数」に応じて決まる「加入者割」となっています。今回、その仕組みを「総報酬割」に変更することで、各保険者が負担する納付金額は「加入者の総報酬額」に応じて決まるようになります。

今年8月から段階的に実施する予定です。

なお、それぞれの保険者の中で加入者が「介護保険料」として、いくら負担するかについては、現行の仕組みでも、各人の報酬に応じて決まっています。

保険者が納める「介護納付金」が加入者割で決まっている現在、加入者1人当たりの負担額は、どの保険者でも原則同じですが、所得水準が低い組合ほど負担感が大きくなっています。同じ報酬を得ていても、加入する医療保険によって負担額に明らかなバラツキが生まれるなど、不公平との指摘がありました。

今回の改正で総報酬割が全面導入される(2020年度の予定)ことになれば、総報酬額に対する共通の負担割合が定められ、保険者が国に納める「介護納付金」、各人が保険者に納める「介護保険料」のいずれも報酬に応じた額になります。

14年度の実績を基に試算すると、負担割合は総報酬額の1.54%となり、負担減になるのは、中小企業の会社員が加入する協会けんぽなどの1653万人。1人当たりの負担額(労使含めた月額)が241円減り4043円となる見込みです。一方、大企業の会社員らが加入する健保組合などの1272万人は負担増です。健保組合の場合、1人当たりの負担額(同)は727円増の5852円となります。

そのため厚生労働省は公明党の求めに応じ、激変緩和へ、1人当たりの介護納付金に上限を設けるなどの対策を講じる予定です。

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