eテロ等準備罪 組織的な重大犯罪の防止に必要

  • 2017.04.17
  • 情勢/国際

公明新聞:2017年4月17日(月)付



テロの未然防止には情報交換や捜査協力など国際的連携が必要だ。

すでに187カ国が2003年発効の国際組織犯罪防止条約(TOC条約)に加盟しテロ対策の努力を続けている。これ以上、日本の条約加盟が遅れ、国際協力の"穴"となってはいけない。

テロなど重大な組織犯罪の被害は甚大で、その実行前に取り締まることが必要不可欠である。そのため、TOC条約は加盟国に対し、テロ組織などが行う犯罪活動への「参加」か、または、犯罪の「合意」段階で処罰するための国内法整備を求めている。

政府が提出したテロ等準備罪を新設するための組織犯罪処罰法改正案は、「合意」段階での処罰をめざす。先週から衆院法務委員会で法案審議が始まった。国民の理解を求め法案を成立させ、条約加盟を実現させたい。

「合意」段階で処罰するといっても、10年前に廃案となった共謀罪とは全く違う。

共謀罪は犯罪をする「合意」があれば処罰できるとしていた。しかし、テロ等準備罪は「合意」に当たる「計画」をしただけでは処罰できない。犯罪を実行するための下見など「準備行為」が必要とされる。

また、共謀罪の主体は「団体」とされ抽象的だったが、テロ等準備罪の主体は「組織的犯罪集団」に限定された。これはテロ組織や暴力団、薬物密売組織など犯罪を目的とした団体であり、一般の民間団体や労働組合はテロ等準備罪の対象にはならない。

「組織的犯罪集団」がテロなどを具体的・現実的に「計画」し、「準備行為」を実施した段階ではじめてテロ等準備罪の嫌疑が生じ、逮捕など強制捜査の対象となる。強制捜査には当然、裁判所の令状が必要だ。警察が「計画」だけで令状を請求しても認められない。これが恣意的な捜査に対する歯止めとなる。

20年に東京オリンピック・パラリンピックを控え、テロ対策の強化は急務だ。

条約加盟により、警察など中央捜査当局は外交ルートを通さず直接、情報交換や捜査共助が可能になる。テロ防止に欠かせない国際的な協力体制構築の必要性を重ねて強調したい。

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