e犯罪被害給付制度 親族間事件にどう対応すべきか

  • 2017.04.12
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年4月12日(水)付



犯罪の被害に遭って重傷を負ったり病気になった人や、殺人事件の遺族を支えるための犯罪被害給付制度。その見直しに向けた議論が警察庁の有識者会議で始まった。
同制度は、犯罪被害を受けた本人に対し、国が医療費などを1年間、120万円を限度に支給し、遺族には最高約3000万円まで支払うもの。有識者会議では、支給対象の拡大や支給期間の延長などが検討されるが、被害者や遺族に寄り添うような議論となることを望みたい。
今回の見直し論議で特に注視したいのは、親族間における犯罪被害への給付金のあり方だ。現行では、DV(配偶者などによる暴力)や児童虐待などを除いて、親族間の事件の被害者は給付金の支給対象とならない。被害者への支給が結果的に加害者の利益につながることを防ぐためとされる。
ところが近年、親族間での犯罪が増える傾向にあり、夫婦間の事件で幼い子どもが取り残されるケースなどが問題となっている。こうした現状にどう対処すべきか。そこで、有識者会議では、親族間でも加害者に利益がなければ給付金を支給できないかなどを検討していく。
また、若くして犯罪に遭い亡くなってしまった場合、遺族への支給額は、被害者の死亡時の収入が基準になるため低くなりがちだ。この点も同会議で是正策を協議する。
犯罪被害者を経済的に支援する制度は、1980年に成立した犯罪被害者等給付金支給法によって初めて実現した。それまで同様の制度はなく、犯罪被害者は「忘れられた人々」とさえ呼ばれていた。
ここに光を当てたのが公明党である。当時は野党ながら独自の法案を国会に提出し続け、支給法成立をリード。犯罪被害者の権利を明記した2004年の犯罪被害者等基本法の成立も強く推進してきた。これらは<生命・生活・生存>を最大に尊重する公明党ならではの実績といえよう。
今回の見直しは、今夏をめどに提言が取りまとめられる予定だ。内閣府の世論調査によると、犯罪被害給付制度の認知度は2割程度にすぎない。広報・啓発活動の強化も検討してはどうか。

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