eコラム「北斗七星」

  • 2017.03.22
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年3月22日(水)付



「人には事情がある」。この言葉を自身の小さな金言としている記者の話を、読売新聞でかつて読んだ。金言は、処世上の手本とすべき内容を持つすぐれた言葉のこと。話の冒頭で記者は、今は亡き女性料理研究家の体験を引く◆彼女がテレビ出演を抱えて忙しい頃、長女が病気にかかり、夜食は店の総菜という日々を回想したもので、「子連れで総菜を買う母親を見た人は、なんという親かと思っただろう。人にはそれぞれ事情があることを身にしみて知った」と◆この体験を雑誌で読んだ記者は当時、身重の妻に代わって娘の幼稚園送迎が日課だったが、都合がつかず、園に遅くまで娘を預かってもらったことも。そうした中で「人には事情がある」という当たり前のことが胸に響き、金言に◆人生にはその時々で、さまざまな事情が生じる。親の介護もその一つだろう。本紙6面の連載『介護と人生』(柴本美佐代、2月7日付で終了)に次のような声をいただいたことがある◆介護のことは当事者しか分からないことも多い。苦しいと思ったことは数知れず。助言を得られないかと思っていた時、この連載に出合った。参考になり勇気をもらいました。心から感謝◆うれしい読者の方からの反響。これからも皆さまのお役に立つ情報提供に日々努力してまいります。(六)

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