eコラム「北斗七星」

  • 2017.03.07
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年3月7日(火)付



大学や短大など高等教育の授業料無償化について、党派を超えた論議が始まった。最近の国公立大学の年間授業料は50万円を超えているし、私立大学となると平均80万円を突破している。実現すれば親や子どもにとって夢のような話である◆だが課題や心配は幾つもある。まず財源をどうやって確保するか。必要とされる予算は年間3兆1000億円といわれている。来年度の防衛予算案が5兆1000億円だから、財源を捻出するのは容易ではない◆そこで案として「教育国債」の発行や消費税率の引き上げが浮上しているようだが、いずれも国民に借金したり家計に影響を及ぼすもの。こうした動きに公明党は「教育立国を築く意味で将来的に無償にするのは大きな流れ」(井上幹事長)としながら、将来世代に負担を負わせない形で実現可能か検討する考えだ◆大学への進学率は50~60%だ。授業料が無償化となれば進学率は当然上昇するだろうが、税金を使った無償化が進学しない人たちにも支持されるだろうか◆2万3000人を超える待機児童の問題も依然として解消していない。このままでは「今の政治には未来への投資の観点が欠如している。子育ての入り口である保育・幼児教育への支援を急ぐべき」といった若い世代の怒りが、いつ爆発してもおかしくない。(流)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ