eコラム「北斗七星」

  • 2017.02.10
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年2月10日(金)付



北国の雪のニュース映像を目にしながら、「まだよね?」「まだだね」とうなずき合う。何を待っているかといえば、春の味覚。毎年、都心に店を構えるそれぞれの故郷のアンテナショップをめぐるのが恒例になっている。手に取り、香りに包まれるだけでも気持ちがなごむから不思議だ◆地域活性化センターによれば、東京都内54のアンテナショップの2015年度の売り上げは、6割を超える34店舗で1億円を超えた。中には、北海道どさんこプラザ有楽町のように10億円を超える所も◆他にも、いわて銀座プラザなど3店が7~10億円、同じく宮城ふるさとプラザなど3店が5~7億円を売り上げている。入館者数で見ると、北海道、栃木県、新潟県、沖縄県の4店が100万人を超える盛況ぶり◆20年の東京オリンピックを前に、外国人観光客へのアピールにも力が入る。外国語の案内パンフレット作成やインターネット上のホームページの多言語化、語学ができるスタッフの常駐が進む。ここ数年は免税店になるところも増えている。東京だけでなく、名古屋、大阪、福岡に出店している自治体もある◆店内にあるのは、故郷の味だけではない。一緒にさまざまな記憶までがあふれ出てくるようだ。「ふるさとの 訛なつかし」という石川啄木の歌が思い浮かぶ。(繁)

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