e通学路危険箇所の9割解消

  • 2017.01.16
  • 生活/生活情報
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公明新聞:2017年1月14日(土)付



公明が力強く後押し
保護者から喜びの声
12年夏の緊急点検に基づき 歩道整備など各地で対策



通学路の安全確保に向けた取り組みが、ここ数年で大きく進み、児童や保護者らから喜ばれている。最新の調査結果によれば、2012年夏に全国の公立小学校など約2万校で行った緊急点検で、対策が必要とされた危険箇所の9割超が解消されている(16年3月末時点=グラフ参照)。公明党は全国の国・地方議員、党員らと連携しながら、対策を強力に後押ししてきた。

東京都中野区内を走る青梅街道から、南に百数十メートル入った住宅街にある区立桃園小学校。周辺の道路は一方通行が多い上、道幅も狭いが、近年はカーナビの普及により、抜け道として利用する自動車が増えた。猛スピードで走り去る自転車も目に付くという。

同校の場合、学校、PTA、区(教育委員会、道路担当部)、中野警察署が12年夏に合同で通学路の点検を行い、7カ所の危険箇所を洗い出した。例えば、下り坂の途中で道路が斜めに交わる変形十字路は、見通しが悪いにもかかわらず、車のスピードが出やすかった。

そこで区は路面をカラー舗装にしたり、路側帯を設けるなど、12年度中に必要な対策を講じた。

このほか、点検により浮上した区内全域の264カ所の危険箇所についても、16年3月末までに対策済みだ。

加えて区は、通学路の交通安全確保に関する基本方針「通学路交通安全プログラム」(15年12月策定)に基づき、小学校区ごとに2、3年に一度、合同点検を行うなど、継続的に安全確保へ努めている。

桃園小のPTA会長を務める髙橋智人さんは「一過性の安全対策で終わらないよう、関係者による定期的な点検・協議の場が設けられており、児童や保護者の皆さんの安心感につながっている」と語る。


防災・安全交付金で財政支援も


国が通学路の安全対策を強化したのは12年からだ。4月に京都府亀岡市で集団登校中の児童らの列に車が突っ込み、10人が死傷するなど事故が相次いだことを機に、全国で緊急点検を行ったところ、危険箇所が7万4483カ所に上った。

そこで国土交通省は歩道整備や路肩拡幅、警察庁は信号機・横断歩道の新設といったハード面から対策を進める一方、文部科学省は通学路の変更やボランティアによる見守りなどソフト面の充実を図ってきた。

また、対策を講じる自治体への財政支援として、12年末の自公政権発足後、直ちに成立させた12年度補正予算で、通学路の安全対策や道路の無電柱化などに使える「防災・安全交付金」を創設。以降、毎年度の予算に計上している(16年度予算は約1.1兆円)。

これらの積み重ねにより、危険箇所への安全対策の実施率が16年3月末時点で全体の93%に当たる6万8931カ所に上った。また、通学路交通安全プログラムの策定状況も、1529市区町村と、全1741市区町村の88%まで普及している。


ビッグデータを活用事故防止へ新手法


国交、文科、警察の各省庁は16年度も、継続して安全対策を進める一方、特に国交省は交通事故の芽を未然に摘み取るユニークな取り組みにも乗り出している。

それはカーナビに記録された走行位置の履歴情報などのビッグデータを基にスピードが出やすかったり、急ブレーキをかけがちな箇所を特定。あらかじめ、車の速度を低減させるため、「ハンプ」(路面の一部を盛り上げた凸部)や、大型車両の進入を制限する「狭さく」などを設置するという手法だ。

例えば、都内では目黒区学芸大学駅周辺地区や板橋区蓮根地区、東村山市萩山町地区など、全国243地区まで取り組みの輪が広がっている(16年末時点)。



通学路の安全確保について、公明党は12年4月に「通学路の安全対策プロジェクトチーム(PT)」を設置。事故現場に出向いて調査活動を行う一方、交通事故の遺族団体などと意見交換を重ね、政府に対して同年5、7月にそれぞれ提言などを行っている。また、各自治体では、議会などを通じて対策強化を訴えてきた。

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