eコラム「北斗七星」

  • 2017.01.11
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年1月11日(水)付



最近の報道で、集中豪雨が発生する地域を半日以上前に、50~70%の確率で予測する基礎技術が開発されたことを知った。海洋研究開発機構(神奈川県)と気象庁気象研究所(茨城県)などのチームが、神戸市にあるスーパーコンピューター「京」(理化学研究所・計算科学研究機構)を使って成功させたという◆昨年夏の豪雨で、わが家の床下まで雨水が迫り、いつも乗る電車が線路脇の土砂崩れで脱線したことなどが思い出された。新技術の実用化は2020年代とのことだが、早期の運用を期待したい◆家族4人で"防災会議"を開いたのは、この報道を目にした日だった。ハンドブック「東京防災」(15年、都内全世帯に配布)を片手に、発災直後の行動を確認し、防災グッズや備蓄品をチェック。いろいろ至らぬ点に気付かされた◆22年前の1月17日、阪神・淡路大震災が起きた。当時の本紙を読み返してみると、発災直後、神戸市内の避難所に身を寄せる親子が「1日目は水を一滴も飲まず、2日目は食パン1枚を家族で分け合った」と伝えていた。災害はいつ襲って来るかわからない。他人ごとではない◆スパコン「京」は、貴い命を守るために震災で大打撃を受けた地で"奮闘"しているんだなと思いながら、身近でできる「自助」の備えをと、あらためて決意した。(三)

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