e貸し切りバス安全強化

  • 2016.12.28
  • 情勢/社会
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公明新聞:2016年12月28日(水)付



再発防止へ改正法が一部施行
悪質業者に厳罰科す
来月で軽井沢事故から1年
公明の提言反映



今年1月15日に長野県軽井沢町で発生したスキーバス転落事故から、来月で1年がたつ。乗員乗客15人が死亡、乗客26人が重軽傷を負った、あのような重大事故を二度と繰り返さぬよう、政府は再発防止に向けた「総合的な対策」を取りまとめ、20日には貸し切りバス事業者の罰則強化を柱とする改正道路運送法の一部が施行された。

1月の軽井沢スキーバス転落事故では、運行管理者が運転手に対面し、健康状態や酒気帯びの有無を確認する運行前の点呼がなかったり、バスの運行経路などを記す運行指示書の記載不備、運転手の健康診断不受診など複数の法令違反が発覚。政府は、6月に「総合的な対策」を取りまとめ、貸し切りバス事業者らの順守事項強化とともに、国の監査・審査業務の実効性向上、違反に関与した経営者らの厳罰化を進めることとした。

「総合的な対策」では、既存の規則や指針を見直し、公明党が強く主張したドライブレコーダーによる映像の記録・保存の義務付け(来年12月から一部適用)や、大型バス補助席のシートベルト設置の義務付け(来年11月から一部適用)を実施。さらに、貸し切りバス事業者の営業所ごとに配置される運行管理者の必要選任数引き上げ(来年12月から施行)などを行う。

改正法では、安全確保を怠った悪質業者への罰金を100万円以下から、鉄道や航空の事業者に対する罰金と同じ1億円以下に引き上げたほか、業者の負担金で設立する民間機関が各社を巡回指導することにした。

許可を取り消された事業者が再参入できる期間については2年から5年に延長。また、来年4月からは、一度取得すれば無期限有効だった事業許可を5年更新制に変更し、新規参入業者だけでなく、全国に約4500社ある既存業者についても、更新時に国が審査を行うことで、安全管理体制を強化する。

一方、バスの運転手らに脳の磁気共鳴画像装置(MRI)検査を推奨する議員立法も来年1月に施行する見通しで、バス事業者らに安全運転確保に向けた措置を義務付け、運転手が原因の事故を未然に防ぐ。

公明党は、痛ましいバス事故の発生を受け、事故に巻き込まれた方々への支援とともに、事故原因の徹底究明と再発防止を促してきた。国土交通省からのヒアリングや事故現場の視察などを経て、1月27日には石井啓一国交相(公明党)に対し、再発防止に向けた提言を申し入れた。

これを受ける形で、同月29日から国交省の事故対策検討委員会で再発防止策の本格的な議論が始まり、「総合的な対策」がまとまった。その一環である改正道路運送法とバス運転手らにMRI検査を推奨する議員立法は、先の臨時国会で成立した。

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