eコラム「北斗七星」

  • 2016.12.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年12月26日(月)付



国会で審議される法案は、政府または国会議員のどちらかから提出される。今月閉幕した臨時国会。年金制度やTPP(環太平洋連携協定)関連の報道が目立ったが、議員立法として公明党が主導し、暮らしにまつわる法律も十数本成立した◆その一つが休眠預金活用法である。金融機関の口座で10年以上出し入れがない「眠ったお金」を有効活用するものだ。預金保険機構を経由し、政府が指定する中立的な団体を通じて、福祉や地域活性化、子どもの貧困対策など公益性の高い事業に生かしていく◆もちろん、問答無用に没収されるわけではない。複数の口座を保有していれば、時にその存在を失念することはある。法施行後も預金者の求めがあれば、利子を含めて全額払い戻される◆10年以上、金融機関で「眠るお金」は毎年およそ1千億円に上る。これまでは預金者への払い戻し分を引いても、その半分以上が金融機関の利益になっていた。使える予算に限りがある中で、新たに必要となった事業をどうすれば行うことができるか。この点に着目した◆企業が保有する現金や預金残高は過去最高を更新し、家庭においては自宅で現金を保管する「たんす預金」も増え続けている。これらのお金が動くようになるだけでも、日本経済は前に進む。新しい年の宿題である。(広)

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