eコラム「北斗七星」

  • 2016.12.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年12月24日(土)付



クリスマスを一人ぼっちで過ごす人を「クリぼっち」という。専用のクリスマスケーキを用意した百貨店や、一人でも寂しくないようカップルの入店を断る飲食店など関連する話題は尽きない。それだけ「クリぼっち」は多いのだろう◆一人で食事をする「ぼっち飯」やライブに単身参加する「ぼっち参戦」など、「ぼっち」のスタイルはさまざま。中には、あえて一人ぼっちを楽しむケースも少なくないようで、「一人カラオケ」や「一人焼き肉」の店も増えている◆とはいえ、やはり一人では心細い面があろう。50代半ばの友人は、経済的には恵まれているが一人暮らし。広い自宅で倒れてしまい、救急車を呼ぶこともできずに最期を迎えることが一番の不安とこぼしていた◆日本では、自宅で「孤独死」する人が年間3万人に上る。2015年に600万人だった一人暮らしの65歳以上の高齢者は、35年には762万人に達する見込みだ。孤独死の増加が予想される中、見守り・声掛けなど地域の取り組みへの期待は大きい◆先日、実名を伏せてランドセルを寄贈する「タイガーマスク運動」の先駆けとなった人が素顔を明かした。再び善意の輪を広げたいとの思いから決断したそうだ。子どもからお年寄りまで、寂しさを募らせる人に温かな真心が届くような年の瀬にしたい。(幸)

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