eコラム「北斗七星」

  • 2016.12.13
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年12月13日(火)付



歴史の転換を「潮目が変わる」と表現する。先週公開された百田尚樹原作の映画『海賊とよばれた男』は、敗戦後の日本人が勇気と誇りを取り戻す潮目を描く。主人公の国岡鐡蔵は国際石油資本に挑み、経済封鎖されたイランからの石油輸入を断行した出光興産の創業者、出光佐三がモデルだ◆佐三は現在の北九州市に会社を旗揚げし、関門海峡を舞台に船で石油販売の土台を築く。同海峡は1日に4度、潮の向きが変わる難所。壇ノ浦の戦いでは、潮目の変化で源平の形勢が逆転した。佐三が身をもって潮の流れを感じ取ったことが、後の会社経営に役立ったに違いない◆公明党の歴史においても、潮目を変える役割を担ってきたのが北九州だ。言論問題の渦中に行われた1972年の衆院選で、公明党は47から29議席へと後退。翌年の北九州市議選も苦戦が予想されたが、公明党は8人全員当選を果たした。その後、同市議選は常に党の反転攻勢の突破口となってきた◆61から57へ総定数4減となる今回の市議選(1月20日告示・同29日投票)で、公明党は2議席増、過去最高の13議席に挑む。党員、支持者は「北九州が勝てば全国が勝つ」との気概に燃える◆「矢は石をも徹す」。洋上で日章丸の目的地を乗組員に告げた時、佐三は檄文で訴えた。荒波を乗り越えて、突き進もう。(也)

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