e庶民、中小企業守る減税

  • 2016.12.12
  • 生活/生活情報
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公明新聞:2016年12月11日(日)付



与党税制改正大綱
斉藤税調会長に聞く



自民、公明の与党両党は8日、2017年度税制改正大綱を決定しました。大きな注目を集めた所得税の配偶者控除や酒税の見直し、中小企業支援などのポイントと公明党の取り組みについて、(幹事長代行)に聞きました。


パートの配偶者控除 500万世帯超が対象に


賃上げ促進、サービス業支援

―2017年度税制改正の特長は。

斉藤鉄夫税制調査会長 一言で言うと「中小企業と庶民を守る大減税」です。

パートで働く主婦などがいる世帯の所得税を減らす配偶者控除の見直しでは、満額38万円の控除が受けられる配偶者(主に妻)の年収要件を、18年1月以降に103万円以下から150万円以下に引き上げます。150万円を超えても201万円までは控除の対象となります。

自公政権がめざす最低賃金の時給1000円で1日6時間・週5日勤務した場合、年収は144万円です。これを目安とし、年収150万円まで満額38万円の控除が受けられるようにしました。配偶者控除の拡大を通じ、パートで働く主婦のいる世帯の収入増や中小企業の人手不足解消を進めます。

一方で世帯主(主に夫)が高収入の場合、年収制限を設定します。対象世帯の拡大による税収減を防ぐためです。夫の年収が1120万円を超えると段階的に控除額が少なくなります。

この結果、夫の年収が1120万円に満たない世帯は合計1500億円程度の減税になります。人数で言えば、約600万人とされるパート主婦のうち93.5%が対象となり、実に500万を超える世帯が、配偶者控除の恩恵を受けることとなります(現在年収103万円以上で負担が減るのは約300万世帯)。

また、個人住民税の配偶者控除も同様に見直し、19年6月から適用されます。

―中小企業支援は。

斉藤 「所得拡大促進税制」を拡充し、社員1人当たりの給与を前年度に比べ2%以上引き上げることを条件に、賃上げ総額のうち大企業は12%、中小企業は22%(現行はいずれも10%)を法人税額から控除します。

さらに、わが国のGDP(国内総生産)の約7割を占めるサービス産業の生産性向上に向け、設備投資への支援を拡充。事業に必要な設備(償却資産)にかかる固定資産税の減免措置は、これまで主に製造業が対象となっていましたが、サービス業の器具や備品も対象に追加します。

こうした中小企業支援策は、公明党の強い主張を反映したものです。


ビール類の税率 統一へ


被災者支援 住宅ローン減税恒久化

―ビールの税率変更も注目されています。

斉藤 麦芽比率などで異なるビール系飲料の税率を一本化し、26年10月に350ミリリットル当たりの税額を約54円に統一します。

税額の見直しは3段階で行いますが、公明党の主張を受け税率変更の際は、「家計に与える影響等を勘案した上で実施する」ことを法律に明記します。

また、地域の活性化に役立つようビール類の定義を見直し、果物など地方の特産品を使ったビールを「発泡酒」ではなく「ビール」と呼べるようにします。特区制度を活用し、少量でも焼酎を製造できるよう免許の基準を緩和します。

―このほかには。

斉藤 来春で期限切れとなるエコカー減税は、対象をやや絞った上で2年延長します。また、軽自動車は、地方や主婦の移動を支える重要な手段であり、公明党の要望を踏まえ、車を購入した翌年度の自動車税や軽自動車税(共に地方税)を軽減する「グリーン化特例」も適用範囲をあまり変えないで2年延長します。

災害で被災した人の生活再建を支援するため、住宅ローン減税などの特例措置を恒久化。パナマ文書で世界的に批判が高まった多国籍企業による課税逃れの防止対策も強化します。公明党の長年の主張を受け、たばこ税が今後の検討事項に盛り込まれました。

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