eコラム「北斗七星」

  • 2016.11.16
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年11月16日(水)付



鳥取県中部を襲った最大震度6弱の地震発生からまもなく1カ月。被災地では復旧への動きが加速している◆被災市町では、他県からの派遣職員が罹災証明書発行業務に汗を流し、多くのボランティアが活動してくださっている。真心の義援金も続々と届く。こういう時の、全国からの支援ほど心に染みて、ありがたいものはない◆課題は山積している。住宅被害は全壊15、半壊101、一部破損1万2731棟(15日正午現在)にまで拡大。梨の落果など農林水産被害は約12億円、道路など公共土木施設被害も約27億円に。地域社会が受けた傷は深く、生活再建に向け、さまざまな悩みを抱え前に踏み出せないでいる人は少なくない◆観光産業への打撃も深刻だ。県内旅館・ホテルの宿泊キャンセル数は約2万4000人にも上り、"風評被害"が浮き彫りになっている。県は「鳥取は元気です」「とっとりで待っとります」と、観光キャンペーンに懸命。割引付旅行プラン助成制度「復興割」の創設も国に要望した。遊びに来てもらうのが一番の応援かもしれない◆10月11日成立の2016年度第2次補正予算には当然、今回の地震に対する災害復旧費は盛り込まれていない。被災地復興に向けた県と市町村の財政力には限界がある。国の迅速かつ強力な支援が望まれる。(中)

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