e"食の循環"を学校給食で

  • 2016.11.09
  • エンターテイメント/情報

公明新聞:2016年11月9日(水)付



残った物を食材の肥料に
理解深める特別授業も
千葉・木更津市



千葉県木更津市は現在、学校給食で出た調理くずや食べ残しを肥料に変えて地元農家に提供し、その肥料を用いて生産された野菜を給食に使用することで、食材の"循環"をめざす「学校給食を活用した地域活性化事業」を実施している。市議会公明党(住ノ江雄次幹事長)は10月26日、同事業を導入しているモデル校を訪れ、事業の一環として行われた特別授業を視察した。

木更津市は今年度から、「オーガニックなまちづくり」をテーマに掲げ、資源循環型社会の形成をめざし、リサイクルや地産地消の推進などに力を注いでいる。昨年度からスタートした同事業もその一環として組み込まれたもので、食品ロスの削減や地域農業の活性化をめざすとともに、教育現場における食育の充実を目的としている。

事業のモデル校として市は、農村部に位置する鎌足地区の鎌足小学校と鎌足中学校を指定。両校の給食を調理している同小学校は、昨年9月から地元の農産物直売所で仕入れたダイコンやニンジンなど、地元野菜を食材に使用してきた。

その上で今年9月、新たに「生ごみ処理機」を導入。これにより、給食の調理くずや食べ残しがバクテリアなどの菌で発酵処理され、約1カ月ほどで液体肥料になるという。出来上がった肥料は畑での試行期間を経た上で、地元農家に提供し、そこで生産された野菜などを給食の食材として購入する予定だ。

これに関して市議会公明党は、竹内伸江議員が昨年12月定例会の一般質問で、食材の地産地消や給食の調理くずの循環を通した食育の充実、食べ残し削減対策の推進を訴えるなど、事業の実現を促してきた。
この日、一行が視察した特別授業は、午前に小学校の4~6年生、午後に中学校の全生徒を対象に開催。小学校の体育館では、食品に扮した児童が消費者に処分されないように逃げる「もったいない鬼ごっこ」という遊びなども取り入れながら、食べ物の大切さを学んだ。

一方、中学校の教室ではグループワークが行われ、生徒たちは環境問題や食品ロスについて学習し、お互いの意見を発表し合った。生徒の一人は「捨てられてしまう食材の多さに驚いた。これからは意識して食べるようにしたい」と話していた。

授業の様子を見守っていた中学校の額賀敏行校長は、「生徒が食について考える機会を与えてくれ、感謝している。今後も食育に力を入れていきたい」と語っていた。

市は今後、他の地区にも事業を広げていく方針だ。

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