eコラム「北斗七星」

  • 2016.11.04
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年11月3日(木)付



「冬近し時雨の雲もここよりぞ」(与謝蕪村)。暦の上では冬に入る立冬(7日)も目前。東京でも肌寒さを感じるようになると、この句が思い浮かぶ。寒がりの北斗子。先日、大慌てで冬物の衣類と暖房器具を引っ張り出した◆厚手の部屋着や暖房器具のお世話になるこれからの時季、くれぐれも注意したいのが、着ている衣服に火が燃え移る「着衣着火」だ。着衣着火による住宅火災の死者は昨年1年間で40人に上る(総務省消防庁調べ)。うち38人を65歳以上の高齢者が占めている◆主な事例は「ガスこんろの奥に食材が落ち、取ろうとしたら服に着火した」「石油ストーブの前で横になっていたら、セーターに火がついた」「仏壇の掃除中、ろうそくの火が上着の袖に燃え移った」など◆各地の消防本部や自治体は、事故を防ぐポイントとして(1)ガスこんろの奥には調理器具や調味料を置かない(2)調理中は着火しにくい防災製品のエプロンを使う(3)ストーブの使用中は近寄り過ぎず、周りに燃える物を置かない(4)仏壇は火を使わない電気ろうそくを活用する――などを呼び掛けている。特に、身体機能が低下し大事故につながりやすい高齢者には、周りの人の気配りも欠かせない◆9日からは秋季全国火災予防運動(15日まで)。身の回りを確認し、着衣着火を防ごう。(翼)

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