eコラム「北斗七星」

  • 2016.10.05
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年10月5日(水)付



敵の子も庶民の子も入学できる学校をつくるべきだ―江戸から明治に変わる1868年。今の新潟県小千谷市の篤志家、山本徳右衛門は小学校創立を直訴した。政府が小学校設立を地方に指示する前のことだ◆戊辰戦争で隣の長岡は焼け野原に。藩士の子らは小千谷にも逃れて来た。寺の床下などに住み、食べ物もない。山本はある日、一目散に逃げる子どもたちに出くわす。油揚げを盗み、豆腐屋に追われていたのだ。山本は急いで自宅に帰り、握り飯を用意。それを持って寺を回ると子どもたちはむさぼり食った。苦しんでいる子どもたちの未来まで考えた山本。役立つ人材に育てようと、寄宿所も用意し学校創立を果たす。『雪国・小千谷に生まれた日本最初の小学校 学校物語』(立石優著)で知った◆この握り飯や学校に込められた思いは現在の奨学金の目的と重なる。北斗子も借りた。授業料も免除され、バイトに追われず生活できた◆公明党が初めて自民党と連立政権を組んだのが1999年のきょう。以来17年。奨学金は拡充され、返済不要の給付型も創設される見込み。医療費負担を軽くする高額療養費制度も充実。無年金者を減らす制度改正も実現する。福祉施策は大きく進んだ◆庶民の悩み・不安を希望・安心に変える。これこそ政治の一番の仕事だ。(直)

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