e日中交流の発展、深化へ

  • 2016.09.26
  • 情勢/国際

公明新聞:2016年9月26日(月)付



中国・東北師範大で公開講座
ピロリ菌除菌保険適用など 日本の医療政策語る
手記 秋野 公造 参院議員



公明党の秋野公造参院議員は9月13日、中国・吉林省長春市にある東北師範大学を訪れ、日本の医療政策に関する特別公開講座を担当した。成果について秋野氏が手記を寄せた。

今月で開学70周年を迎えた中国の東北師範大学で、日本の医療政策について特別公開講座を担当する機会を頂戴しました。同大学がある長春市は、かつて旧満州国の首都として新京と名付けられ、同市内の「東北淪陥史陳列館」には、日本が二度と繰り返してはならない軍国主義の歴史が展示されています。

1978年、中国は日本に留学生を派遣する意向を表明し、翌年には来日前の留学生に対する日本語などの事前教育に当たり、東北師範大学に予備学校を設置しました。日本は、これを支援し、これまで同校に約500人の教員を派遣し、5000人以上の留学生を受け入れました。この交流は38年にも及びます。

私は、この歴史を踏まえ、2015年4月の参院文教科学委員会で、この事業のさらなる発展と文部科学相の同大学訪問を提案。今年6月、馳浩文科相(当時)が日本の大臣として32年ぶりに同大学を訪問しました。

当日は、約300人の学生と、教職員に約100分間の講義を行いました。主なテーマは「胃がんはピロリ菌除菌でなくせる」です。胃がんは中国と日本を含む東アジアに集中する疾患であり、増加する生活習慣病による足の切断とともに両国が克服すべき課題です。報告では(1)胃がんとピロリ菌の関係(2)実現した胃がん予防のためのピロリ菌除菌の保険適用で、胃がんによる死亡数が減少した成果(3)足病と足切断のリスクが高い透析患者の足に注目することを促す診療報酬改定の実現―などについて紹介しました。

熱気と一体感がある講義室で、質疑応答も交えながらの有意義な一時となりました。

日中両国にとって喫緊の課題である医療対策について、次代を担う若い世代と日本の知見・経験を共有できたことは望外の幸せです。

日中友好をリードしてきた公明党の誇りを胸に、さらなる両国の関係向上に力を尽くす所存です。

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