e公明のネットワークに感謝 池部 彰・北海道南富良野町長が寄稿

  • 2016.09.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年9月24日(土)付



台風禍から牛900頭救う
激甚災害指定へ迅速対応
復興に向け、大きな力に



甚大な被害をもたらした台風7、9、10、11号災害を激甚災害に指定する政令(16日閣議決定)が23日、施行された。復旧工事への特別の財政支援などが行われる。政令ではさらに、手厚い中小企業支援を行う局地激甚災害の対象として、特に被害が大きかった北海道南富良野町などを指定した。これらの実現に向けた公明党の尽力に対し、南富良野町の池部彰町長から感謝の手記が寄せられた。

南富良野町は北海道のほぼ中央に位置し、大雪山系と日高山脈に挟まれた人口2600人余りの小さな町。農業や林業、体験型観光などが基幹産業です。

この自然豊かな町を、8月中旬から台風7、9、10号が相次いで襲い、その大雨により8月31日には、空知川の堤防が町の中心部で決壊。宅地や農地約130ヘクタールが浸水しました。早めに避難指示を発令したことや、町職員が住民宅を一軒一軒回って避難を呼び掛けたことなどが功を奏し、幸いにも人的被害を出さずに済みました。とはいえ、橋や道路の損壊、わが町の農業の6次化の象徴であるポテトチップス工場の操業停止など、暮らしや産業に与えた打撃は想像をはるかに超えるものでした。

中でも、私が頭を悩ませたのは、道路の寸断によって孤立した「公共串内牧場」の900頭の牛のことでした。この牛たちは、5市町村の農家から預かり、春から秋にかけて育てている大切な牛です。「人命は、何とか守ることができた。地域の財産である牛も救いたい」。しかしながら、牧場に至る道道は通行止めで復旧のメドは立たず、搬送は困難。さらに水道管が損傷したため飲み水の供給ができず、牛の命が危険にさらされました。

刻々と事態が緊迫しつつあった9月3日、石井啓一国土交通相(公明党)がわが町の視察に訪れました。被災状況の説明の最後に、私は牧場を取り巻く現状を述べ、「どうか、牛たちの救出に力を貸してほしい」と要望しました。数日間、悩み抜いた感情がこみ上げ、"涙の訴え"となりました。

もとより農業分野の課題であり、周辺道路も道道であることから国交省の直接の所管でないことは理解していましたし、実際に「国交相に相談する案件ではないのでは?」と話す関係者もいました。その中で、背中を押してくれたのが公明党の稲津久衆院議員でした。

稲津議員は、堤防が決壊した当日、どの国会議員よりも早く駆け付けてくれました。まだ町内の至る所で道路を濁流が洗うような危険な状況をものともせず、吉井透道議、大栗民江・富良野市議と共に町役場や避難所を訪れ、被災者に寄り添ってくれました。石井国交相の早期訪問にも尽力されたのだと思います。牧場の件についても、「国交相は、現場の切実な声を聞きに来るのです。遠慮することは何もありません」とキッパリ。その言葉に、どれだけ勇気をもらったかしれません。

石井国交相は、「関係機関と連携し、しっかり対応する」と述べられ、翌4日には、高橋はるみ知事が来訪。「4、5日間で何とか道道を復旧させたい」と約束してくれ、実際8日には、牛たちを無事に農家の元に返す作業が始まったのです。

公明党議員と接して思うことは、なかなか気付かないような小さな課題にも思いをはせる心根の良さを感じます。そして何よりネットワークの強みがあります。11日には、山口那津男代表が訪問され、「激甚災害に指定してほしい」との要望を翌12日の政府与党連絡会議で取り上げ、実現へとつながりました。本当に感謝に堪えません。

現在、わが町では全国から届けられた義援金をいち早く町民にお渡しし、延べ3000人を超えるボランティアの皆さまにもさまざまなお力添えをいただいて復旧・復興への歩みを進めています。この場を借りて感謝申し上げます。われわれは、災害に屈することなく町民の力を結集して再び立ち上がり、災害に負けない町づくりを進めてまいります。

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