e医療空白地域に診療所

  • 2016.09.23
  • 生活/生活情報

公明新聞:2016年9月23日(金)付



「安心して生活できる」(市民)
医師4人が交代で勤務
高知・室戸市



住民の健康を守る待望の診療所が開設―。高知県室戸市の室戸岬地域でこのほど、市初となる直営の「市立室戸岬診療所」が開所した。同地域で2年近くに及んだ"無医状態"が解消され、「これで安心して生活できる」と喜ばれている。

同市内の5地域には、それぞれ民間の医療機関があったが、室戸岬地域では唯一の民間診療所が2014年10月末に閉鎖されたままになっていた。同地域の人口は約3000人で、高齢化率は50%を超える。住民はバスなどで遠方の医療機関に通わねばならないため、地域内での診療所再開を求める声が多かった。

こうしたことから、市では市直営による診療所開設を決定。閉鎖された民間診療所の敷地と建物を購入し、運営費を今年度当初予算に計上して開設準備を進めてきた。


公明市議が推進役果たす

同診療所の開設については、公明党の堺喜久美市議が昨年6月定例会で、市内の病院が次々と姿を消している実態に触れ、「このままいけば近い将来、市が無医状態になってしまう。市民の不安解消と医療機関の整備は行政の責務」と訴え、市営での医療機関の設置を提案するなど、推進役を果たしてきた。

今回、開設した新しい診療所は、診察を担当する曜日や時間帯のシフトが決まった市内外の医師4人が交代で勤務。最大で月7回の内科診療の時間が設けられ、看護師と保健師、窓口事務員もそれぞれ1人ずつ配置されている。

同診療所が開所するまで別の病院にバスで通ったという鈴木みさ子さん(70)は、「バスは1時間に約1本しかなく、運賃もかかる。ここなら歩いて来ることができて、本当に助かるし、友だちにも会える」と満面の笑顔。楠本順子さん(77)は、「ここに病院があるというだけで安心感が全然違う」と喜んでいた。

市保健介護課の武井知香課長は、「地域に医療機関があるということが、安心して生活できる環境づくりには絶対必要。市の人口減少が進む中で、これからの移住促進にもつなげていきたい」と話していた。

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