e在外邦人の安全確保 テロ情報収集の体制強化を

  • 2016.08.04
  • 情勢/国際

公明新聞:2016年8月4日(木)付



海外にいる日本人がテロに巻き込まれるのを防ぐには、どうすればよいのか。

外務省は2日、在外邦人の安全を確保する取り組みを一層強化するための具体策をとりまとめた。バングラデシュの首都ダッカで7月に発生した飲食店襲撃事件により、交通インフラ(基盤)の整備など開発援助に従事する日本人7人が犠牲になったことを踏まえ、提言されたものだ。

バングラデシュは世界でも有数の親日国として知られているだけに、衝撃は大きかった。今や世界各地で、「日本人がテロの標的とされ得る」状況にあると外務省は警告している。

背景に、インターネットを通じて過激派組織「イスラム国(IS)」の主張に感化された若者が、突発的に凶行に及ぶテロが増えていることがある。この場合、レストランや公共交通施設、イベント会場など、警備が手薄で人が多く集まるような場所が狙われる傾向にある。

だからこそ、政府はあらゆる地域のテロ情勢を分析し、被害に遭わないようにするための情報を在外邦人に提供することが重要である。

外務省は昨春、海外に長期滞在する日本人向けに、事前に登録した携帯電話を対象にしたショート・メッセージ・サービス(SMS)で、テロやクーデターなどの緊急情報を一斉送信するとともに、安否も確認する制度を開始した。同制度は中国や韓国、米国など13の国・地域で実施されているが、バングラデシュは含まれていなかった。

今回の具体策では、海外の地域情勢に詳しい人材や語学の専門家を増やし、テロ情報を専門に扱う外務省の「国際テロ情報収集ユニット」が集める情報の質の向上などを進め、危険情報を共有する体制を強化するとしている。

外務省によると、在外邦人は約132万人(2015年10月1日現在)いるという。

過激派は、イスラム教徒以外の外国人が多く集まる飲食店などは「反イスラム的」な場所であると見なすといわれている。まずは、外国人が多数出入りするような場所には近づかないといった注意喚起など、きめ細かな情報提供を行い、在外邦人の危機管理意識の向上を促進すべきである。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ