eコラム「北斗七星」

  • 2016.07.27
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年7月27日(水)付



都内の梅雨明けはまだのようだが、あちらこちらでセミの鳴き声が聞こえてきた。子どもたちは夏休み。思いっきり体を鍛えたり、普段はできないことに挑戦してみてもよし。とにかく無事故で、充実した毎日を送ってほしいと願う◆先週末、子ども支援の国際NGOセーブ・ザ・チルドレンが「G20子どもの豊かさランキング」を公表した。八つの要素から総合的に比較したもので、日本はドイツ、フランスに次いで3位。一昨年の前回からは順位を一つ上げた◆分析では、子どもの死亡率や若者の失業率の低さ、安全面などで日本の優位性を指摘する。一方、国内では6人に1人の子どもが相対的貧困の状態にあることを懸念し、ひとり親世帯の子どもに対する迅速な取り組みを促していた◆仮に両親がそろっていなくても、自ら生きる希望を見いだし、力強く将来を切り開く青年もいる。小学生のころから家庭は崩壊状態にあったが、いつも、そばで包み込んでくれる人がいた。温かく励まし続けてくれた◆経済的な困難は奨学金で乗り越え、進学して資格を取得。就職も勝ち取っている。どんな状況に置かれていても、子どもが安心できる居場所はあるだろうか。公的、私的な安全網が将来に対するあきらめを救うことがある。大人が無限の可能性を閉ざしてはならない。(広)

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