eコラム「北斗七星」

  • 2016.06.27
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年6月27日(月)付



多くの人を無事、目的地へと運ぶには、隙のない態勢の整備が不可欠である。空港は、その代表的事例の一つだ。わずかな見落としが大事故につながるだけに、対策は微に入り細にわたっている◆例えば主要空港では、気象庁が「ドップラーレーダー」と呼ばれる特殊な観測装置を配備。意外なものを見張っている。空気中に含まれる微細な塵と、昆虫の動きだ。航空機にダメージを与える突風や下降気流を察知するためらしい。古川武彦著『気象庁物語』(中公新書)で知った◆純利益、売上高、外国人利用客数など各部門で業績好調な関西国際空港。人工島にある同空港では猟犬に加え、タカやハヤブサといった猛禽類の力も借りている。航空機と鳥が衝突する「バードストライク」を減らすためで、渡り鳥を追い払い、繁殖を阻止しようという算段である◆バードストライクによってエンジンが鳥を吸い込むと、大事故につながりかねない。同空港では禽獣導入後、バードストライクの発生件数が半減していると聞く。隙を見逃すまいとの決意と細心の知恵が見て取れる◆各紙が参院選序盤情勢を一斉に報じた。一喜一憂すれば、心に隙が生まれ、態勢にほころびが出てくる。4割程度の人が誰に投票するか、まだ決めていないという(毎日)。これからが勝負だ。「背水の陣」で競り勝ちたい。(田)

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