e交通弱者の"1票"を手助け

  • 2016.06.20
  • 情勢/解説
[画像]メインイメージ

公明新聞:2016年6月18日(土)付



全国で初めてワゴン車活用し開設
参院選から移動期日前投票所
島根・浜田市



高齢者など交通弱者の投票を手助けしようと、島根県浜田市は7月の参院選から、車両内に記載台と投票箱を備え付けた「移動期日前投票所」の運用を開始する。車両の中を活用した投票所は「浜田市が全国初」(市選挙管理委員会)という。公明党の佐々木豊治、柳楽真智子の両市議はこのほど、今後の取り組みなどについて担当者から話を聞いた。


投票所の統合進む山間部で

移動期日前投票所は、市が所有していた10人乗りのワゴン車を改造して開設する。投票のための記載台を取り付けた上に、プライバシー保護パネル(高さ31センチ、幅65センチ、奥行き36センチ)を設置し、候補者や政党名の一覧を表示。投票時には車の窓ガラスに遮光テープを貼り、プライバシーに配慮することや、投票時に投票立会人2人と投票管理者が同乗することで車両内での投票が可能となった。

投票は、車外で名簿と照合して本人確認をした後、1人ずつ車両内に乗り込んで行う。高齢者などへの対策として、車両への乗り込み口にスロープを設け、必要に応じて職員が介助する。また、雨天時などには、昇降口に簡易テントを用意。計画では、統合された投票所の地区を中心に7月1日から計11カ所を3日間で回り、投票所の開設は1カ所当たり1~2時間程度を予定している。

担当者は「今後、チラシなどを活用し、開設場所と時間を対象となる地区の有権者に周知していく」と話していた。


市民の声受け公明が推進

浜田市では人口の減少などに伴い、市内にあった78カ所の投票所のうち、8カ所を統合し、70カ所に減らすことが決まっている。しかし、投票所がなくなる地域は山間部が多く、公共交通機関が整備されていない上、高齢化も進行。このため、山間部に住む市民から「投票所の統合によって、新しい投票所まで遠くなってしまった。移動手段がなく、投票に行きたくても行けなくなってしまうので、どうにかならないか」との切実な声が上がっていた。

こうした声を受けた佐々木市議は2015年9月の定例会で、「車を借り上げて、その車を投票所として巡回させるべきだ」と主張。機会あるごとに粘り強く実現を求めてきた。

佐々木市議は「高齢化の進展とともに過疎地域における投票所の確保は、各自治体が共通して抱えている課題ではないか。その意味で移動期日前投票所の運用が全国に広がることを期待したい」と語っていた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ