e対案には物足りぬ経済政策

  • 2016.06.17
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年6月17日(金)付



民進党の公約



民進党が15日に発表した参院選向け公約は、「人からはじまる経済再生。」を掲げ、経済政策で自公政権との対抗軸を明確にしたかったようだが、「安倍政権への対案としては物足りない内容」(16日付「読売」)などと評判はイマイチだ。

それもそのはず。公約にあるのは、「同一労働同一賃金」や「最低賃金1000円」など自公政権の政策と似通っているものばかり。富の再分配を適切に行うという考えも、「成長と分配の好循環」を進める政権との違いが分かりにくい。

社会保障の充実について、消費税率10%への引き上げを延期しても、税率引き上げを待たずに、予定通り来年4月から実施すると思い切った。ただ、そのための財源について、岡田克也代表が先月の党首討論で提案した赤字国債発行には、なぜか一切触れなかった。

記者会見で同党は、できる限り税金のムダ遣い削減などで賄うと説明したが、思い出されるのは、旧民主党の2009年マニフェストだ。当時、ムダ遣い削減などで16.8兆円もの財源を生み出すと豪語して、政権を獲得したが、そんな巨額な財源を生み出せるはずもなく、政権は崩壊した。

マニフェストの呼称を今回からやめたのは、「民主党政権失敗の象徴のようになったため、イメージの刷新を図った」(同「毎日」)との見方がもっぱら。だが、民主党政権への失望が大きかっただけに、国民の不信感は、そう簡単に拭い去れるものではない。

一方、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に関しては、「日米合意を着実に実施」と記述し、「推進の立場を鮮明」(同「産経」)にしたが、つい先日、民進、共産両党などが市民連合との間で「辺野古新基地建設の中止」との政策協定を結んだことと矛盾するのは明らか。その上、共産党は、在日米軍基地の撤去を掲げているだけに、両党の政策の違いが一層際立つことになった。(光)

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