eコラム「北斗七星」

  • 2016.06.01
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年6月1日(水)付



全国的な梅雨入りも目前に迫り、毎日の天気予報がとりわけ気になるシーズンとなった。降水確率はもちろん、熱中症にならないよう最高気温にも注意したい◆さて、きょう6月1日は「気象記念日」。1875(明治8)年のこの日、気象庁の前身である東京気象台が設立され、気象観測が開始されたのにちなむ。それから9年後の6月1日には、初めて天気予報が発表された◆記念すべき最初の予報文は「全国一般、風ノ向キハ定マリ無シ。天気ハ変ワリ易シ。但シ雨天勝チ」。あまり役に立ちそうにない内容だが、観測点も少ない中での予報は、さぞかし大変だったろう。当時の気象観測の労苦は、富士山頂で最初の越冬観測を試みた気象学者の野中到と妻・千代子を描いた新田次郎著『芙蓉の人』にも詳しい◆明治の昔に比べ、コンピューターや気象衛星といった科学の発展で天気予報は現在、驚くほど進歩した。ちなみに昨年の「明日の降水の有無」(17時発表予報)の適中率は、全国平均で86%。信頼に足る精度といえよう◆今や天気予報は日常生活に欠かせない。気象庁では、大雨、洪水、強風、大雪、高潮、雷など災害の恐れのレベルによって、気象に関する16種類の注意報、7種類の警報、6種類の特別警報を発表している。くれぐれも留意し身を守りたい。(翼)

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