e海のプラスチックごみ 環境相合意を機に拡散防止急げ

  • 2016.05.25
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年5月25日(水)付



海へ足を運ぶと流木や海草に混じった多くのごみが目に付くが、近年、そのごみの一つによる新たな海洋汚染が国際問題化している。

「マイクロプラスチック」と呼ばれる5ミリ以下のプラスチック粒子のことで、海に浮かぶプラスチックごみ(プラごみ)が、紫外線や波などによって目に見えないほど小さくなったものだ。その数は、全世界で5兆個を超えるとも推計されている。

厄介なことにマイクロプラスチックは、海中で分解されにくく、ポリ塩化ビフェニール(PCB)といった有害物質を吸着する性質を持っている。人体への影響は未解明な部分があるが、餌と間違えてのみ込んだ海洋生物など生態系への悪影響が懸念されている。

こうした中、先日開かれた先進7カ国(G7)環境相会合で、プラごみがマイクロプラスチックとなる前に回収する行動の促進など、優先的に取り組む五つの対策が合意された。拡散防止へ早急に実行に移してほしい。

今回の合意を機に、国際社会でプラごみの海洋流入を防ぐ施策の具体化を急ぎたい。例えば、焼却などの廃棄技術が遅れている発展途上国への支援が不可欠だ。併せて、廃棄に関する国際的なルールづくりは重要であり、四方を海に囲まれて海洋汚染の影響を受けやすい日本こそ議論をリードすべき分野だろう。

国内対策も充実させなければならない。公明党の推進で制定された海岸漂着物処理推進法により、海のごみ回収や処理費用が自治体に補助されている。マイクロプラスチックの削減にもつながる事業として着実に実施したい。また、海や川、野外にプラごみを捨てないよう国民への啓発活動の強化が求められる。

何より、プラごみを少しでも減らそうという一人一人の心掛けが大切だ。

日々使うレジ袋もプラスチック製品の一つだが、エコバッグが普及するデンマークなどは1人当たり年間4枚以下なのに対し、日本は200枚を超える。限られた資源を守る視点からも、リデュース(ごみの発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)という「3R」の意識向上が欠かせない。

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