e住宅再建に総力挙げよ

  • 2016.05.18
  • 政治/国会
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公明新聞:2016年5月18日(水)付



熊本地震補正予算が成立
地盤沈下も支援対象
首相が明言 罹災証明「今月中に」
参院予算委で秋野、河野氏



熊本地震からの復旧や被災者支援を柱とする総額7780億円の2016年度補正予算が、17日夕の参院本会議で全会一致で可決、成立した。補正予算は780億円を仮設住宅の建設、住宅が全壊した世帯への支援金拠出などに充てる。残り7000億円は「熊本地震復旧等予備費」として計上し、インフラ(社会基盤)復旧事業、被災者の事業再生などに対応する。財源には日銀のマイナス金利政策に伴う国債費の減額分を充て、新規国債は発行しない。本会議に先立つ参院予算委員会では、公明党の秋野公造氏が質問するとともに、河野義博氏が賛成討論を行った。

総括質疑に立った秋野氏は、罹災証明に関して、全国の自治体から職員を派遣して取り組んでいるものの、交付が遅れていると指摘。「一日も早く、発行できる体制で取り組むべき」と訴えた。

安倍晋三首相は「罹災証明の交付の迅速化を図ることが最優先の課題だ。機動的かつ柔軟な対応の加速を図り、申請を受け付けている罹災証明書については、5月末までに交付できるよう、しっかり支援していく」と答えた。

また、秋野氏は地盤沈下した住宅への対応について、地盤の液状化被害に関しては国の支援基準が定められていることに触れ、「地盤沈下でも(支援対象に)当てはめるべき」と求めた。

河野太郎防災担当相は、住宅の地盤が不均等に沈下した場合などは「液状化などの判定方法を活用してもらう」と述べ、必ずしも外観に大きな被害がなくても支援対象とする考えを示した。

住宅の診断や補修をサポートする仕組みとして秋野氏は、東日本大震災において、建築士や弁護士、司法書士などの専門家が一体となった無料相談体制が実施されたことを指摘し、「ワンストップ(1カ所)で相談できる場所をつくるべき」と主張。河野防災担当相は「関係省庁と連携し、行っていきたい」と答弁した。

さらに秋野氏は、民間賃貸住宅を活用した「みなし仮設住宅」について、希望があれば入居期限の2年間が過ぎた後も住み続けられるよう求めた上で、「被災者が希望を持てる住宅の全体像を示すべき」と訴えた。

安倍首相は「応急的な住まいを一日も早く確保する」と強調。その上で、みなし仮設住宅の期限延長について「住宅セーフティーネット機能を強化するための新たな住宅施策の中でしっかりと検討していきたい」と応じた。

一方、秋野氏は学校施設などがガラスや天井といった非構造物の破損により避難所として使用できなかった例を挙げ、「非構造物の耐震化をさらに推進すべき」と求めた。馳浩文部科学相は「非構造物への耐震化対策など防災強化を進めていきたい」と応じた。

賛成討論で河野氏は、補正予算に計上された、仮設住宅提供のための経費や、住宅が損壊した世帯に最大300万円支払う被災者生活再建支援金などが「生活再建を強力に後押しする」と強調。「透明性を確保しつつ、迅速かつ適切に執行を」と訴えた。

被災者に安心感
適切な予算執行に尽力
山口代表

公明党の山口那津男代表は17日夕、熊本地震の被災者支援などに向けた2016年度補正予算が成立したことを受け、国会内で記者団に対し、「全会一致で、いち早く成立した。予備費を含めて十分な余裕を持っていることは、被災者に安心感を届けることができると思う」と強調した。

その上で、補正予算の執行に向け、「具体的に事業が進められるところは、適切にタイムリーに現場で生かしてもらいたい。公明党は、地方議員と連携しながら、予算が適切に使われるよう尽力する」と力説した。

同日の参院予算委員会で安倍晋三首相が住宅の「半壊」でも仮設住宅に入居できるよう柔軟に運用する方針を示したことについては、「柔軟な配慮が被災者の生活再建を安定化させ、早めることにつながる。適切な対応だ」と評価した。

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