e現役世代の地方移住 自治体の創意と情報発信が重要

  • 2016.05.11
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年5月11日(水)付



地方創生の実現に向け、現役世代の地方移住をどう進めるかに注目が集まっている。

4月下旬に開催された政府の1億総活躍国民会議では、島根県浜田市の移住支援策が先進事例として紹介された。

地方創生のための交付金を活用した同市の事業は、高校生までの子どもがいる、ひとり親世帯の保護者が介護職に就くことを条件に移住を促すものだ。(1)育児と仕事の両立に悩む、ひとり親世帯の支援(2)介護の担い手確保(3)人口減少対策―という三つの対策を同時に進める点が高く評価されている。

本体価格0円での中古車提供や引っ越し費用、家賃、養育費の補助といった支援を行う同事業には、全国から約150件の問い合わせがあり、既に五つの介護施設で移住者を受け入れている。

同市は今後、対象の職種を看護師や保育士などに拡大することで、移住政策の柱としていく考えだという。長野県や大分県国東市も、ひとり親世帯の移住支援に取り組む方針を示している。

ほかにも、起業計画のコンテストを行い、産業振興につながる起業と移住を組み合わせて支援することで現役世代を呼び寄せた地域もある。自治体の創意工夫に基づく取り組みが実を結んだ一例といえよう。

移住政策を成功させるカギの一つは、何といっても移住を希望する人と自治体を結び付ける情報発信だ。

都市生活者の移住支援を行うNPO法人ふるさと回帰支援センターによれば、同センターを訪ねる人でも、事前に十分な知識を備えている人は少なく、自治体の施策や地域の魅力をいかに伝えるかによって、実際に移住する人の数や移住先が大きく変わるという。

公明党は4月に行った1億総活躍社会の実現に向けた提言の中で、浜田市の事業のような成功例を全国に情報展開するよう訴えたほか、地方が求める人材と都市部から移住する人を引き合わせる仕組みを強化するよう主張した。

芽吹き始めた地方移住の流れを大きく育てていくため、自治体には、都市生活者の心を捉える魅力ある事業の展開と、丁寧に情報を届ける努力が求められる。

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