eコラム「北斗七星」

  • 2016.04.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年4月26日(火)付



西郷軍の伝令が官軍に囲まれた田原坂(熊本市)を越えようとするが、攻撃がすさまじい。「雨は降る降る 陣羽(人馬)はぬれる/越すに越されぬ 田原坂」。公明党熊本県本部の党員、支持者らが、避難先で民謡「田原坂」を歌ったと聞いた◆避難生活に雨が追い打ちを掛ける。歌詞を噛みしめ、再起を誓う人もいるに違いない。被災者に寄り添おうと、公明議員が激励、支援に奔走している。その中には、車で寝起きする議員もいる◆ところで、近代日本の命運を分けた西南戦争で、官軍が勝利したのはなぜか。兵力の差はもちろん、軍のネットワークに要因があったと思われる。伝令頼みの西郷軍に対し、明治政府は開戦前、すでに九州に電信線を敷設していた。正確、迅速な情報をもとに総攻撃を決め、西郷軍を退けた◆今、被災地で問われているのも、このネットワークの力だろう。党鹿児島県本部は飲料水、同宮崎県本部はブルーシートを大量にかき集め、現地入り(16日)。国会議員と県議の連携で5000食を確保(同)。畳工業組合と町議が連絡を取り、鹿児島県から畳120枚を搬入(18日)。発災直後の迅速な動きに、公明党の底力を見る思いがした◆先の見えない避難生活が続く。だが、公明党がいる限り、越せない坂はない。歯を食いしばり、前へ進もう。(也)

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