e動画でバリアフリー情報

  • 2016.04.15
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年4月15日(金)付



全国初 区HPに車いす視点の道案内
東京・品川区



段差や傾斜を事前にチェック


東京都品川区は3月31日から、同区役所と最寄り駅を結ぶ道のりを車いす利用者の視点で伝える動画を、ホームページ(HP)にアップしている。同区によれば、こうした行政サービスは全国で初。映像の制作を受託したのはバリアフリー情報専門の動画サイト「車椅子ウォ―カー」(織田友理子代表)で、動画の撮影には公明党の鶴伸一郎区議も立ち会った。


駅と庁舎結ぶ経路を紹介


品川区は4月1日の「障害者差別解消法」施行に先立ち、障がいのある人も安心して区役所を利用できる環境を整えようと、車いす利用者向けの道案内動画を制作した。区のHPで「大井町駅から品川区役所までの道案内」のページを開くと、車いす利用者向けの動画3本が視聴できる。

それぞれの動画は、大井町駅の、りんかい線、東急大井町線、JR京浜東北線の各ホームから区役所に向かう「車いす推奨ルート」を紹介している。車いすで走行する映像に合わせて、(1)エレベーターの位置(2)道の傾斜(3)横断歩道の数(4)注意する地点―などを字幕で解説。推奨ルートには、交差点や段差などの危険箇所が少なく、雨天時も安心して通行できる屋根の付いた道が優先的に選ばれた。

動画撮影の日、織田代表は「身体の障がいを理由に、外出を諦めないでほしい。動画を通して、車いすユーザーの世界がもっと広がれば」と期待を込めた。

「車椅子ウォーカー」は、実際に車いす利用者が公共交通機関を利用したり、観光地や商業施設を訪れる様子を動画で配信。"利用者目線"で、事前にチェックできるバリアフリー情報を広く提供している。これまで、観光サイトや大手航空会社からの依頼で映像制作を手掛けてきたが、自治体から要請を受けたのは今回が初という。織田代表は「私たちの取り組みを行政が評価してくれた」と語った。

鶴区議は2014年6月の定例区議会で、「車椅子ウォーカー」の取り組みを紹介。日本では100人に3人が身体に障がいがある現状や、高齢化に伴い車いす利用者が増加するとの見通しを踏まえ、「動画によるバリアフリー情報を、区のHPなどで提供すべきだ」と訴えていた。

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