e下請け取引 改善促せ

  • 2016.04.01
  • 情勢/経済
[画像]メインイメージ

公明新聞:2016年4月1日(金)付



価格の適正化へ
ガイドライン拡充も必要
党経済再生調査会 上田勇会長に聞く



政府は31日、中小企業・小規模事業者が賃上げしやすい環境をつくるため、「下請等中小企業の取引条件の改善に向けた調査結果」を発表した。調査結果の評価とともに、今後の取り組みなどについて公明党経済再生調査会の上田勇会長(衆院議員)に聞いた。


中小企業の賃上げに直結


政府が調査結果を発表

―実態調査の結果をどう見るか。

上田勇会長 これまで、公明党としても多くの企業・団体から、さまざまな意見や声を聞いてきました。今回の調査結果とも共通しますが、発注側の大企業がコストを抑えるために下請けの中小企業に対して低価格や不当なコスト負担を要求する実態が明らかに見られます。また、下請け間での競争が激化し、中小企業がギリギリの価格設定を提示している苦しい立場も浮き彫りになっています。

―どのような対応が必要か。

上田 政府は2014年12月の政労使合意により、(1)賃金の引き上げに向けた最大の努力(2)取引企業の仕入れ価格の上昇などを踏まえた価格転嫁や支援・協力への総合的な取り組み―などを経済界に求めてきました。これは、過去最高水準の大企業の収益を家計や中小企業に還元し、経済の好循環を持続的に果たしていくために大事な二つの柱です。大企業が適切な水準の価格で取引することで、雇用者の約7割を占める中小企業における賃上げの原資が確保できるよう、取引条件を確実に改善しなければなりません。

―発注側の大企業に求められることは。

上田 まずは、企業の意識改革が必要です。デフレ状態が長引いていることから、コスト引き下げが経営方針の根底にあります。確かに、企業として一つ一つの契約でコスト削減をめざすのは当然です。しかし、国が策定している「適正取引ガイドライン」の趣旨に抵触するような、下請け企業の経営圧迫につながる場合は、日本経済全体にとってはマイナスになることを理解してもらう必要があります。

―政府の今後の取り組みは。

上田 今回の実態調査では政労使合意の内容を「知らない」と答えた大企業が半数を超えました。あらためて周知徹底する必要があります。「適正取引ガイドライン」に関しては、順守を促すとともに修正すべき箇所があれば早急に見直し、実情に応じて改善・拡充するよう政府に要請していきます。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ