eコラム「北斗七星」

  • 2016.03.22
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年3月19日(土)付



入学・就職の時期を前に、身近で2つの転職を見聞きした。ひとりは近所のお嬢さん。大手企業に就職したが、4年目の秋に転職。体調を心配していたが、「自分がやりたいことがようやくはっきりした。今はすごく楽しい」とのこと。元気な笑顔に安心した◆もうひとりは何と我が子。安定した会社に就職したのに、3年で転職。「もっと自分の可能性にチャレンジしたい」と、聞けば半年前から10社近くに接触して決めたという。毎日、残業は当たり前というところらしい。「挑戦だな」と励ました◆求人サービス大手によれば、企業の中途採用の求人数は15カ月連続して過去最高を更新。この背景には、若者人口の減少による人手不足に加えて、人材を新卒者で獲得しきれなかった中小企業が転職市場で補おうとしていることもありそうだ◆若者の転職に対する意識も変わりつつあるのだろう。大学卒でさえ就職して3年以内に三分の一が転職する傾向は、30年近く変わりない。1つの企業への勤務年数も、20、30代ではじわじわと短かくなっている◆好むと好まざるを問わず、転職は身近になりつつある。あるコンサルタントは、「何のための転職か、どうなりたいのかをはっきりさせることが大事」と語る。前向きに、ひとつのチャンスととらえるべきなのだろう。(繁)

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