eコラム「北斗七星」

  • 2016.02.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年2月18日(木)付



関東周辺在住の高校同窓会でつくる"呑み仲間通信"に「再就職先をお探しの方へ」と題したメールが送られてきた◆たまにはハイキングお誘いメールもあるが、求人メールは初めてだ。しかも古里の産業支援財団の東京駐在員募集。企業回りをして古里に首都圏の求人情報を送る仕事である。年齢不問、契約は1年更新、ボーナス無し。パソコンを駆使できることが最低条件だった◆背景には合併に伴う合理化、出向などで人生の岐路に立たされている仲間が多いことがある。蓄えでパソコン教室を開設したが生徒が集まらず家庭不和になったり、大企業に勤めていたものの人間関係に疲れ出家した友もいる。「これまでより減収になるが従来の経験を生かせるのでは」と仲間を思いやるメールだった◆一方、老いても壮んな人たちもいる。先日の『波紋』には74歳の英会話講師の投稿が載っていた。語学力を生かし、地元自治体主催の教室で60歳から80歳代の生徒に教えているという◆自らも2020年東京五輪・パラリンピックでボランティア通訳をめざし、毎年のTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)を受験しているそうだ。五輪の時は78歳である。うらやましく思うとともに、後輩世代が「余裕もねえ。仕事もねえ。未来もねえ」では余りにも情けない。(流)

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