e介護ロボット最前線

  • 2016.02.15
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年2月14日(日)付



介護に関わる人の負担を和らげる「介護ロボット」の活躍が注目されています。介護ロボを導入する施設への補助制度も実施され、介護従事者の離職防止などが期待されています。介護ロボの最前線に迫りました。



「楽に力仕事ができる」


装着型「HAL」 離職者防ぐ効果も期待


「今日の調子はどうですか? 少し起き上がりましょうね」。サイバーダイン社製のロボットスーツ「HAL(R)介護支援用(腰タイプ)」を着けた介護職員が優しく語り掛け、ベッドに横たわる高齢者の上体をそっと抱きかかえます。介護ロボを実際の現場で活用している神奈川県川崎市の特別養護老人ホーム「すみよし」での一コマです。

HALは、脳から筋肉へ送られる「生体電位信号」を読み取り、人の動きをサポートする最先端の介護ロボ。腰にかかる負荷を最大4割低減し、腰痛を引き起こすリスクを減らすと期待されています。HALを身に着けて作業する介護職員は「(着けると)楽に力仕事ができる」と笑顔で語りました。

介護施設などは、力仕事が多く、腰痛を理由に辞める人も少なくありません。HALの導入で離職を防ぐ効果も期待されています。また、比較的力の弱い女性介護者も使用できることから、力が必要とされる介護場面で「施設の利用者に安心感を与えることができている」(同老人ホームの廣瀬幸一事業長)といいます。

同施設では、県の支援事業を利用し、昨年6月から試験的に介護ロボを導入しています。今年3月までの試験利用ですが、「職員の腰を守れるなら」(廣瀬事業長)と、本格的な導入へ前向きです。


歩行、排せつ、入浴などを支援。


従事者の腰痛める機会ゼロへ


政府が2015年1月に発表したロボット新戦略では、介護分野のうち、(1)歩行支援(2)排せつ支援(3)認知症の人の見守り(4)(ベッドからの移し替えなど)移乗支援(5)入浴支援―の五つを重点分野に設定。20年までに介護ロボの国内市場規模を500億円に拡大するほか、介護従事者が腰を痛める機会をゼロにすることをめざしています。

厚生労働省は15年度補正予算で、20万円を超える介護ロボを導入する介護事業所に対し、市区町村を通じて1事業所当たり300万円を上限に補助する制度を実施。また、見守り支援機器を導入する市区町村に対する補助も行い、在宅高齢者の見守り支援体制の整備を進めていきます。

一方、介護ロボの実用化を進める国家戦略特区に指定された北九州市では、推進本部が今月発足し、規制緩和のあり方などを検討しています。


介護保険の対象機器が拡大


貸与、購入 割安に


介護保険を使って、自宅で割安に利用できる「福祉用具」の中にも、介護ロボが増えています。例えば、排せつ物を感知し、自動的に吸引などを行う装置や、玄関などに設置し、センサーに反応があるとブザー音で外出を知らせる機器などがあります。

利用には、要支援・要介護の認定を受けた上で、ケアマネジャーが作成するケアプランにその用具が盛り込まれることが条件です。

福祉用具は貸与制を基本に、排せつや入浴に使われるようなものは購入することになります。利用者負担は費用の1割(一定以上の所得がある人は2割)。購入費については年度10万円の上限が設けられ、原則、利用者がいったん全額を立て替え、申請後に補助額が支給される「償還払い」となっています。

詳しくは、市区町村の介護保険担当窓口などに問い合わせてください。


公明 普及へ積極推進


公明党は介護ロボの普及を積極的に推進してきました。10年11月、党内にロボット産業振興推進プロジェクトチーム(遠山清彦座長=衆院議員)を設置。介護だけでなく医療や福祉、生活支援など幅広い分野でロボット技術の活用をめざそうと、研究・開発の現場を視察し、国会質問で取り上げるなど全力で取り組んできました。

今年1月28日の参院本会議での代表質問でも、山口那津男代表が「医療や介護、防災・減災などの分野における、ロボット技術の導入や運用への支援に取り組むべき」と訴えています。

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