eブラッドパッチに保険適用

  • 2016.02.12
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年2月11日(木)付



脳脊髄液減少症治療で4月から
中医協が答申
16年度の診療報酬改定案



厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)は10日、公的医療保険から病院や薬局に支払われる診療報酬の2016年度改定案を塩崎恭久厚労相に答申。この中で、新たに保険適用の対象として、脳脊髄液が漏れて頭痛や目まいなどを引き起こす脳脊髄液減少症に有効な「ブラッドパッチ療法」(硬膜外自家血注入療法)を盛り込んだ。同症のうち、画像診断基準に基づく漏れが認められるものが対象で、4月から適用される予定。

同症は、主に交通事故などで体に強い衝撃を受け、脳や脊髄を覆う硬膜から髄液が漏れることで発症する。これに対しブラッドパッチ療法は、患者自身の血液を硬膜の外側に注入して漏れを防ぐもの。

答申では、同療法の診療報酬を8000円とした。3割負担なら患者の自己負担は2400円になる。脳脊髄液減少症患者・家族支援協会は「保険外診療では、入院費などを含めて1回当たり30万円程度の治療費が掛かっていたが、保険適用によって、10万円前後で治療する医療機関も出てくるのではないか」と見込んでいる。

公明党同症対策プロジェクトチーム座長の古屋範子副代表は「保険適用は患者団体の長年の要望であり、公明党が10年以上にわたり国と地方のネットワークを生かして取り組んできた結果だ」と強調。その上で「今後は、子どもの病態に関する研究や障害年金の認定、適切な治療を行う医療機関の拡大などの課題に取り組みたい」と語っている。

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