e国のがん対策着実に前進

  • 2016.02.08
  • 情勢/社会
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公明新聞:2016年2月7日(日)付



公明党が推進 基本法制定から10年



公明党が主導し、2006年に「がん対策基本法」が成立してから、今年で10年を迎えます。国を挙げての本格的な取り組みがスタートし、検診受診率の向上や専門病院の充実など、がん対策は着実に前進してきました。国をリードする公明党の取り組みとともに、厚生労働省が昨年12月に発表した「がん対策加速化プラン」について紹介します。


検診受診率3~4割に向上
緩和ケアや放射線治療など充実


国のがん対策は、公明党の主導で06年に成立した「がん対策基本法」と、それを受けて07年に策定された「がん対策推進基本計画(07~11年)」によって本格化しました。基本計画では、初期段階からの緩和ケアの実施や放射線治療の普及などを重点課題として対策を強化。12年に策定された第2期基本計画(12~16年)には、働く世代や子どものがん対策なども盛り込まれ、現在まで取り組みが進められています。

その結果、1~2割だったがん検診受診率は、この約10年で3~4割に向上【表参照】。専門的な医療を提供する拠点病院は135カ所から401カ所に増え、約5万8000人の医師が緩和ケアの知識習得を目的にした研修会を修了するなど、がん対策が強化されています。

公明党は、基本法制定をリードしたほか、乳がん・子宮頸がん検診などの無料クーポン導入を実現。乳がんの早期発見に有効なマンモグラフィーの全国配備や、がん専門医の育成など、がん対策の前進に長年取り組み、成果を残してきました。

また「がん登録推進法」の制定(13年)も推進。患者数や生存率などをデータベース化し、効果的な治療法や予防の確立に道を開く「全国がん登録」が、1月からスタートしています。


加速化プラン 教育や就労支援に重点


昨年12月、厚生労働省は「がん対策加速化プラン」を公表しました。

具体的には、がん対策推進基本計画に示されている分野のうち、死亡率減少につながる(1)予防(2)治療・研究(3)共生―を柱に、次期基本計画策定までの間に、集中的に実行すべき具体策を示しています。

【検診】がん検診の受診率は、公明党が推進した無料クーポンの配布などで一定の効果を挙げています。その上で、受診率50%の目標達成に向け、市区町村による個別受診勧奨・再勧奨(コール・リコール)の徹底など体制整備が重要です。

【がん教育】がんに対する正しい知識を学び、命の大切さについて理解を深める「がん教育」が現在、児童・生徒に対し、全国の教育現場などで活発に行われています。

充実を図るためには、「忙しい医師が不安なく教育現場に入れるよう、医師に対する教育・研修等が必要」(公明党の井上義久幹事長=1月27日の衆院代表質問)です。加速化プランでは、がんの教育総合支援事業の実施や、外部講師を活用した地域連携体制の構築への支援を掲げています。

【緩和ケア】患者の痛みを和らげる「緩和ケア」は現在、がん診療連携拠点病院などで体制整備が進んでいます。その半面、患者が転院したり、在宅療養に移行した場合の適切なケアの提供が課題です。

このため、加速化プランでは、療養生活の質の維持向上へ、医師の研修受講を促し、訪問看護ステーションなどに勤務する看護師も含め、地域での緩和ケアに携わる人材への研修強化を提言しています。

【就労支援】がん患者のうち、体力の低下や勤務調整が難しいなどを理由に依願退職、解雇された人は34.7%(13年)と、10年前(34.6%=03年)と変わらず課題となっています。

そこで、ハローワークに専門相談員を配置し、拠点病院などと連携して患者の就職を支援する事業を47都道府県48カ所のハローワークで展開。就職を望む患者に対し、相談員が病院に出張して、病院の担当者も交えた相談や、職業紹介などを行います。また、仕事と治療の両立ができる職場の求人も開拓します。


公明が対策進める先導役に
公益財団法人がん研究会 有明病院名誉院長 門田守人氏


がん対策は、この10年で大きな進歩の跡があると言えます。患者や家族の療養生活の質の向上、放射線治療などの医療技術の高度化、緩和ケアの普及、がん登録の制度化などにより、全国どこでも安心して高度な、がん医療を受けられる体制が整備され、がん医療の均てん化が進みました。

公明党は、がん対策の課題を真摯に受け止め、国会質問などを通して、非常によく働いてくれています。今後は、禁煙の推進や、がん検診受診率の向上へ、党派を超えて対策をより前進させるリード役を務めてほしいと期待しています。

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